クドわふたーは智代アフターと違う、これだけの理由

 割と鍵っ子の間では否定的な意見が多かった、昨日の「クドわふたー」の情報ですが、みなさんはどういうものを期待しているんでしょうか?
 クドとのスピンオフで、修学旅行にも行かない、あるいは理樹とクドだけの世界(学校?)という設定らしく、完全な「if」の世界観になっているとの話です。まだ情報源となる雑誌を手にいれていないので何とも言えないのですが。
 それだけでも、リトルバスターズ!という作品の面白さを表現しきれていない気がすると言うか、ユーザーが欲しかった作品傾向では無いと思うのですが、同じくスピンオフとしてリリースされた「智代アフター」と比較しても、あそこまでのクオリティも期待は出来ないんじゃないかと思うのです。そこで、智代アフターの時と異なる点をいくつか挙げて検証してみたいと思います。

 まずは、やはりスタッフです。智代アフターでは、企画とメインシナリオが麻枝准でした。サブで樫田レオとありましたが、分担程度は不明です。ただ、企画は麻枝さんです。いくつかのインタビュー記事でもあったように、麻枝さん自身がやりたくて立ち上げた企画で、また内容が「裏CLANNAD」というか、幻想世界の無いCLANNAD、ファンタジー要素を排したCLANNADと言うべき内容になってます。やや強引ながらもそこには、麻枝さんが込めたメッセージ性もありましたし。CLANNADのスピンオフ作品という位置づけであることが明確な作品でした。これは、元作品であるCLANNADの企画・原作者がスピンオフも企画・原作として引き続いたために実現したと言っても良いでしょう。
 これに対して「クドわふたー」は違いますよね。リトルバスターズ!企画・原作の麻枝さんは、クドわふたーにはシナリオ監修としてもクレジットされておらず、わずかに音楽監修のみにとどまっています。企画が、いくら麻枝さんと仲が良い魁氏とはいえ、リトバスの開発にはほとんど関わっていないでしょうから、リトバス原作の趣旨との相違が生まれる可能性は低くないでしょう。現段階でも、原作のクライマックスあたりのエピソードは無視した設定だと言う話が出てますし。

 また、智代アフター制作の時期と、クドわふたーの今の時期とでは、携わってるスタッフにも大きな違いがありますね。言うまでもなく智代アフターは、麻枝さんが企画・原作に音楽とフル回転しましたし、音楽には折戸伸治も加わり、かつ鳥の詩以来の折戸×Liaのコンビが実現すると言う話題性もありました。
 クドわふたーの場合は、シナリオは原作通りの城桐さんで原画もNa-Gaさんなんですが、音楽に麻枝さんも折戸さんも名前がありません。これからどうなるかわかりませんし、新人の清水さんが実は相当やるのかもしれませんが、音楽的なインパクトは当然、智代アフターの時よりも下がるのは間違いないでしょう。

 アフターが気になるキャラだったかどうかも挙げられるかと思います。智代アフターの場合は、CLANNAD原作でアフターが描かれたのが古河渚だけだったこともあって、当初からアフターを望む声は多かったです。だからこそ、藤林杏のアフターSSが流行したりしたんですけども。その流れもあって、智代アフターの主人公である坂上智代のアフターは、全てではありませんが多くの人が望んだアフターだったと記憶しています。原作の智代シナリオ自体が続きが気になるような終わり方でもありましたし。結果は、ユーザーが満足したかどうか不明ですが(汗。
 これに対して、クドわふたーはどうでしょう? クドシナリオはあれでお腹いっぱいでは無かったでしょうか? アフターが気になるといえば、あまりいちゃついていない唯湖だとか、あの終わり方しか無かったのかと思う沙耶とかその辺では無いでしょうか? もちろん、同人誌で一番多いのはクドなのですが、どちらかと言えばコアなファンがついていると言うよりは、見た目の可愛さでライトなファンがついている印象が強いです(もちろんコアなファンもいるんですが)。

 前のところと関連しますが、キャラ単体のスピンオフに向いている作品なのかどうか?という部分は大きいのでは無いでしょうか? 智代で言えば、CLANNADって作品は実は、あまりキャラの横の繋がりは深くは無いんですよね。サブキャラがいい味を出しているのは確かなのですが、ヒロイン同士の横の繋がりが深く描かれた作品とは言い難いでしょう。逆に言えば、各ヒロイン単体のシナリオがいくつか並行で描かれた作品だったと思います。なので、キャラ単体でアフターとして展開しても違和感が無かったわけです。
 しかしリトバスはどうでしょう? 各ヒロインのシナリオは終盤こそ一本道ですが、どちらかと言えば共通ルートで、多くのメンバーがわいわいやっていた時のほうが、リトバスならではの楽しさを提供してくれていたように感じるのです。クドシナリオに関しても、佳奈多であったり、ルームメイトになったりするキャラが割と終盤まで絡んでいたからこその面白さも絶対あったはずです。それに案外、主人公である直枝理樹の男キャラとしての人気が……。これは周りだけかもしれませんけどね。なので、リトバスにおける正規カップリングの需要はCLANNADのそれに比べると低い可能性があるんじゃないかと思います。CLANNAD岡崎朋也は主人公としても人気がありましたからね。

 完全な、原作のスピンオフと謳っているのはどうでしょうか? というのも、智代アフターは後付けながらも、オリジナル作品としてリリースされているんですよね。智アフがCLANNADのスピンオフとは、発表当初以外は一切謳われていません。キャラ名だって、朋也・智代・鷹文と、苗字は抜いているんですよね。一応、原作の智代シナリオ後であることは、本編をやっていればわかるのですが。
 それに、オリジナル作品として当初から考えられていたからでは無いとは思いますが、例えば原画家が原作と異なりますし、声優さんも(全年齢向け→エロゲだからと言うこともありますが)変更されています。ので、見た目にはオリジナル作品として成立していたかもしれません。
 クドわふたーはそうではありませんよね。リトバスEXのスピンオフであることを前面に出しています。そもそも、原画がNa-Gaさんなので、原作とは関係のないオリジナル作品だという売り方では当然なく、リトバスの人気キャラである能美クドリャフカメインのゲーム、であることを前面に出しています。つまりは、リトバス人気に依存した作品であると言うことです。シナリオも、クドシナリオ担当の城桐央さんですから、まあスピンオフを謳いながら中身の開発陣が全く異なる某メーカーとは違うのですけど……。悪い言い方をすれば、リトルバスターズが好きな人以外には訴求力が低い、と言うことにもなりかねないと言うことです。そこは、リトバス原作の設定を相当いじっているようなので、クドの可愛さだけでリトバスファン以外にも訴求して行く感じではあるのですが……。

 と、まあ色々と書いてしまいましたが、つまりは、智代アフターと同じようなクオリティだったり作品傾向を求めるのは、ここから考えても難しいんじゃないかと思うわけです。クドとわふわふしたいっ!という需要には確実に応えられそうなんですけど、Keyが原作・そしてスピンオフでも一貫したメッセージ性や一定以上のクオリティを貫き通すのは、今回は厳しいんじゃないかと思います。なので、智代アフターみたいなものを想像している人も、この辺をわきまえた上で待ってみてはいかがでしょうか?

■関連:nowsの創造した世界 クドわふたー記事
http://nows2700.blog62.fc2.com/blog-entry-219.html



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