アマガミの初動売り上げが5万本いかなかった件を色々と考えてみた

 先週の話なんですが。週刊ファミ通を見てたら、アマガミの売り上げが5万本に届いてませんでした。今週ので見ると5万本越えていたんですが、それでも評判を見ずに買った人が5万もいなかったと言うのは、正直言ってショックですし驚きです。キミキスは累計で30万本以上、初動でも10万前後は行ったはずなんで、その数字の落差たるや大きいですね。※訂正します。すいません。コメント欄の方の通りです。ってか、そこが一番のキモなんですけども…。すいません…。
http://d.hatena.ne.jp/Nota/20080714/1216038606
 キミキスは、通常版が6万7000本、廉価版が5万5000本となっています。ただ、重複して買っている人がそれほど多くないと思われますんで、累計10万人のキミキスユーザーが「アマガミ」には飛びつかなかったということではあります。エロゲブランドであれば、好評だった前作からのリピーターが数字を押し上げるんで、前作以下と言うのは予想に反して少なかったなあ、とは思います。メディアミックスもしていますしね。
 前提が崩れてからの話なんで苦しい感じですが、そんな根拠を書いていきます。

 これは普通に考えられますよね。僕もそうですが、もうTVにゲーム機が繋がってません。って人は多いんじゃないかなと。で、通常ゲームをするハードってのは、大体PSPやDSって人はかなり多いんじゃないでしょうか? ですのでこのタイミングで、PS2で新作ってのはどうだったのかと。

 実はこれが一番じゃないかと。絵師含めて開発チームもメーカーも同じなんですが、明確に「続編」ではなくあくまでオリジナルタイトルです。なので、ユーザーが流れていかなかった…のかと。
 もう一つは、「アマガミ」というタイトルでしょうか。「キミキス」ほどのインパクト…は無いですよね。「キミキス」のあまりに直球すぎて衝撃的かつわかりやすさと言ったら無かったですから。メディアミックスに成功しているのも、このわかりやすいタイトルのおかげだったでしょう。それと比較すれば、「アマガミ」は直球…じゃないような。意味を考えたら十分恥ずかしいタイトルなんですけどね(汗。

  • コンシューマオリジナルギャルゲーが売れない

 もう一つ考えられるとしたらこれです。コンシューマでのオリジナルタイトルと言うのは、ギャルゲーにおいてはほとんど皆無でしょう。ましてや5万本を越えるタイトルと言ったらほとんど無いはず。そんな中で、コンシューマ機でわざわざギャルゲーをやろうというユーザーそのものが減少したんじゃないかと。エロゲの移植タイトルでも5万本も売れるタイトルはありませんからね。実際のところ、ギャルゲー・エロゲー市場自体が縮小してきていますから、この流れも致し方ないのかもしれません。

  • 雑誌での宣伝効果が上がっていない〜雑誌の地位が下がっている

 このゲームはエンターブレインから出ているわけで、週刊ファミ通をはじめ多くの同社の雑誌で特集が組まれ、また毎週のように情報が掲載されて派手に宣伝していたわけです。キミキスはこの効果もあって売れたんだと思いますが、アマガミでも同じようにしていたはずなのにこの落差。それは?
 これは、ゲーム情報誌の地位が下がってきているんじゃないかと。言うまでも無く雑誌業界は不況で売れていないそうです。あの週刊少年ジャンプでさえ部数はピークの半分以下とかなので、雑誌は買わない人が多くなっているのは間違いありません。
 ちなみに僕も、コンビニに置いてある週刊ファミ通を立ち読みするくらいで、あとはG'sマガジンをたまに買って、Key関連の記事だけ読んで終わり、なんてことがほとんどです。攻略だって、雑誌なんかよりもWebなんかのほうが早くから掲載されてますし、情報だって、フライング気味に雑誌からブログに流れたりもしますから、わざわざ雑誌を買う動機って、それこそ贔屓のゲームのグッズとかがついてたりとかそんなレベルになっているような。
 ですから、そんな雑誌で大々的に宣伝したところで、売り上げには目に見えて結びつかないってのはあるんじゃないかと思います。

  • ブランド・チームに信者レベルのユーザーが多くいない

 鍵っ子としては、これは大きいと思います。キミキスってかなりライトな層に人気がありましたから、それでも長く続きましたが、このタイトル限定の盛り上がり方でもあったと思うんです。僕がずっと買っているKeyなんかは、とりあえず出たら買う、って人が多いですからね。僕が10年来のファンなように、CLANNADからと言う5年前後のファンも結構います。そうした人たちは次のタイトルが出たらとりあえず買うんです。これが販売本数を下支えしているんですが、そうしたものが、キミキスアマガミでは弱いのかな、と。1,2年くらいの短いスパンで色んなゲーム・アニメを渡り歩いている人が戻ってくるとは限りませんから。

 以上が僕の見解です。まあ5万前後売れたらよくやってるほうじゃない?と言われるかもしれませんが、やはり5万本に届かなかった初週の売り上げはショックでしたから分析してみました。
 ただしアマガミの場合、初週で4万ちょっとだったのが、2週目でも1万以上売れていることを考えると、発売と同時にプレイしたユーザーの感想とかで「じゃあやってみようかな?」となる人もいるのかもしれません。ニコ動でもプレイ動画やエンディングなどの動画が結構挙がってきてますし、再生数も10万越えのが早くも現れるなど賑わっているようですから、今後もじわじわ売れていくかもしれませんね。キミキスも初動以上に後から相当売れたタイトルでしたし、PCのエロゲとはまた違った新鮮さとかエロさもあるはずなんで、たぶん10万くらいは行くんじゃないかと思います。ま、PSPなら倍売れたようには思いますが(PSPで出たとしたら、僕は本体を持ってないので本体と同時購入したかと思いますが)。早くやりたいな…。