エロゲから陵辱ゲーが自粛される問題は、二次元エロ大弾圧への足がかりか?

 詳しくは知らないのですが、いわゆる「陵辱ゲー」が海外で問題になり、日本でも某政治家が取り上げて問題が大きくなり、販売元が販売中止にまで追い込まれたそうですね。ただ、凌辱ゲー全般が製造・販売禁止と決定されたわけでは無いようです(TBSが先走った報道をしたようで)。
 しかしながら、エロゲにおける「凌辱ゲー規制」の流れは、エロゲ業界では抗いきれないことなのかもしれません。何せ、10万本を売り上げるような一部の強いメーカー・ブランドのほとんどは、そういった凌辱ゲーは作ってませんからね。かつてなら、エルフやリーフなんかも凌辱ゲーを作ってましたし(今は知らん)、そういう動きがあれば業界全体で「何とかしないと!」という動きも起こったでしょうけども、今はどうも「そういうゲームを作っているメーカー・ブランド」限定の動きのようにも見えます。
 ただ皆さんも理解されているように、この規制の動きは、明らかに僕ら二次元エロ世界に依存している人間にとっては、大弾圧への一歩であると思います。
 
 しかし、そもそも数ある「エロ」ジャンルの中で、二次元の凌辱ゲーが規制されなければならないのはどうしてでしょうか? AVにだってレイプ物はあるわけですし、その中には「やりすぎだろ?!」と思わざるを得ないものまで(主に会員制の動画配信サイトですが)存在するわけです。ただ、そうしたものよりも先に、凌辱ゲーが槍玉に上がったのはどうしてでしょうか? もちろん、「たまたま見つけた」だけとも言えますが…。

  • 容易に海外でもプレイできてしまう環境を構築していた

 これがそもそも問題だと思うんですが。まあでも、それならAVのほうがP2Pもあるし相当数が海外流出してるでしょうから、根本の問題じゃないでしょう。

  • 生身の人間相手には出来ないような壮絶なプレイだった?

 僕が凌辱ゲーをバリバリやっていた頃は…それでも酷いものはありましたが、今はエロシチュ限定としてもジャンルが多様化して、例えばレイプ物でも、それにプラスαだったりしたものが主流になっていると思います。そうなると、ただ「犯す」だけでも世間的にはそうとうに「引く」のに、そこから更に酷いとなれば…。ちょっと規制反対派の人たちも声を高くは出来ないのかな、と思います。ちなみに、僕でも「引く」内容の凌辱ゲーってそれなりにあるんですよね。二次元ドリーム系のような、明らかに(女の子も含めて)ファンタジーだと当てはまらない気がするんですが。
 逆に言えば、生身の人間相手には出来ないような壮絶なプレイだからこそ、エロゲという二次元でやるわけなんですけどね…。

  • ゲームと言う、プレイヤーの意思がある程度反映できる媒体が不味い?

 これはちょっと思う点です。あれだけエロマンガが溢れている中で、エロゲに矛先が向いた理由の一つとして考えられなくは無いと思います。
 AVとかエロマンガって、基本的に一本道じゃないですか。作者が考えたストーリーしか話がありませんし、分岐もありません。願望はあれど、そこにユーザーの意思は反映されません。
 ただエロゲはどうでしょう? シナリオ重視のノベル系なら、予め用意されたシナリオしかなく、あまりユーザーの意思が反映されるとは言いがたいですが、SLG的な凌辱ゲーならどうでしょう? どう襲うか?とかどこを触るか?とか、そんな選択肢の幅が広いゲームも存在します。そもそも、どう調教するかとかってゲームも昔からあるくらいですし、ユーザーの意思が反映されやすいジャンルとも言えます。それが不味いのかなあ、と。
 要は、AVやエロマンガ、シナリオ重視のエロゲでは、ある程度ユーザーは受動的にエロメディアに触れているわけですが、凌辱ゲーの場合はユーザーの能動的な意思によって触れられている場合が多いんじゃないか?と言うことです。つまり、その意思が外(生身)の世界へと向けられる可能性があるんじゃないか…と危惧されても仕方ないかもしれない、と言うことです。
 ま、そこまで考えて規制を唱えてる人はいないと思いますが(汗。

 とまあ、エロジャンルの中で凌辱ゲーだけが槍玉に挙がった原因みたいなものを挙げてみましたが、もしエロゲだけが今後とも槍玉に挙がるようであれば、こうした理由だろうかと。
 ただこの動きは「児ポ法改正(改悪)」の動きともそう違わないとは思うんですよね。つまり、二次元エロをこの際なら一掃してしまおう!と言う一味には利用したくなる話だろうなあ、と。この二つの流れが合流してしまえば、あるいは色んな二次元エロメディアが撲滅されてしまうんではなかろうかと。
 例えば「DL site.com」。一時、時の人となっていたライブドアに買収されて、それまではフリーダムだったのにいきなり、ロリ系やグロ系や一部の版権モノが販売禁止になるなど外圧に弱い会社なので、まずここでの動きがどうなるかが気になるところです。
 エロマンガでも、例えば極めてレイプものが少ない(ほとんど無い?)快楽天系が部数を伸ばしているようですが、一部のレイプものしか書いていないような作家さんが締め出されるようなことになれば、業界が暗にこの動きに同調しているか、あるいは外圧が掛かっているか?ってことにもなると思います。
 もちろん、コミケで発表される同人誌に動きはほとんど無いでしょう。内容で販売禁止になることはほとんど聴いた事がありません。ただ…米沢前代表死後、例えば局部修正について厳しくなったように、外圧をすべてはねのけるような力は現準備会には無いような気もしますから、どこまで抗うかは気になるところです。

 最後にいえることは、一度規制されたものは、ほぼ緩和されないってことでしょうか。規制が掛かる前に、業界で自主的に自粛の動きをしたエロゲ業界は、ある意味では正しい行動をしたことにもなります。が、野放し状態だったってことも浮き彫りにしてしまいました(それが当たり前だっただけでしょうけど)。
 ただ、そもそも二次元エロ業界ってのは、生身の人間同士ではまず満たせない欲望を満たす場です。以前なら、二次元と現実(一次元)を混同するような輩もかなり多かったのですが、今では二次元だけで行き過ぎてしまい、もはや現実に二次元でのことを当てはめること自体が無理というところまで行ってしまっています。触手とか断面図とかペットボトルとかボトルキャップとかそうですよね(ぇ。
 一時は、確かに二次元エロでのことを現実で犯罪の動機に使う輩も多かった気がしますが、今はそれほどでも無いような…。ですから、そもそも「二次元エロ」でどれだけの女性が実害を被っているのか?とか、どれだけの犯罪を誘発しているのか?とか、そういう具体数を示してもらいたいものです。もしその結果、一般の犯罪者に比べて多いのであれば、規制やむなしだと思いますよ。でも現実、そんな統計を取ってるわけでも無いですし、因果関係だって全く不明です。
 そもそも、KeyだってLeafだって、最初の頃は凌辱ゲーを作っていたんですよ? 今じゃ地上波アニメの原作にもなるようなスタッフたちが。限度はあるかと思いますが、表現の場を狭めることは、そもそも縮小傾向にあるゲーム業界や、ひいては二次元メディア全体にとってマイナスでしょうからね。今は一般向けの漫画を描いているような作家さんが、最初はエロマンガだったりエロゲだったりを作っていたケースだって多いんですから。そうしたパイを狭めるようなことは、今後の日本にとってもしないほうがいいと思うのですがどうでしょうか?
(いつもどおり、脱線しまくりでかつ、言いたいことが定まっていないようですいません)。