さくらむすび 考察5〜エンディング(ストーリー)別考察

 ようやくここまで来たって感じですね。

  • 秋野紅葉エンド(シナリオ)

 このシナリオについては、誰もが望む方向で、それに主人公も乗ったら…という感じだったと思います。
 言い換えると、主人公に対して、周りの人間が敷いたレールの上に、主人公自らが望んで乗ったら、と言うシナリオだったかと思います。
 劇脚本「さくらむすび」に置いては、亮一が楓と一緒になることを望んだ、ってことでしょうか。
 ちなみに、秋野夫妻は被差別部落問題に対してはとりあえず寛容で、主人公の人柄も出自も良く知っているので、本当なら一緒に暮らしたかったし、それが娘との結婚と言う形で実現できたらいい、と思っているみたいなので、本当に誰もが望む形だったんだと思います。
 とりわけ、妹である桜も、自分が住んでいる家に兄が住むわけで、デメリットよりもメリットの方が多いのかもしれません。それほど打算的な考えは無いでしょうけど、別に兄と肉体的な関係を持とう、と言うことは、このシナリオ上では思っていません。
 プレイしていても、さしたる障害も無く、後半はラブラブ甘々な展開になっているのも、他のシナリオと差別化されていますね。

  • 瀬良可憐エンド(シナリオ)

 このシナリオは、化け物=部落問題が横たわっている、「さくらむすび」そのものの現代版と言えるかもしれません。
 ただこのシナリオがさくらむすびと違うのは、学校を出て距離を置こうとした男に対して、女が学校と言う入れ物を捨ててまで男についてきた、ことです。で、それを男が拒まず受け入れた…。そういうエンディングでした。さくらむすびでは、女が学校と言う入れ物を捨てられず、あるいは捨てることを許されず…だったんですが。
 それを可能にしたのは、もしかしたら可憐の兄である邦彦だったのかもしれません。そういう壁は、誰か1人の賛成があれば突破できるんだ、と言うことを言いたかったのかなあ、と思いました。


 桜シナリオについてはまた明日以降に。