リトルバスターズ!考察〜謙吾と古式みゆき

 意外に人気のある、古式さんと謙吾について考察してみようかと思います。
 クリアしていない人にとっては、何故これが考察の対象になるのかもわからないかもしれませんがw その辺がリトバスの面白いところだと思っていてください。


 まあまず、大前提としては『古式みゆきは既に亡くなっている(死んでいる)』と言うところから入れると思います。これはつまり何を意味しているのかと言うと、修学旅行時には、既に古式さんは死んでいて、実際に出てきた古式さんは、夢の世界で修学旅行前の状態を再現したために、生きている状態で現れた、と言うことです。これはまあ、考察をしなくてもわかることではありますけどね。
 その根拠としては…Refrainの謙吾の「茶番だぁーーっ!!」がまず挙げられますよね。あの謙吾があれだけ動揺するってことは、別にそこに古式さんがいたから、とだけでは無いでしょう。謙吾が、古式さんを思いとどまらせることが出来ずに後悔していることを、恭介があざとく突いて登場させたに他なりません。
 その他にも、気付いた方はいると思いますが、小毬シナリオで理樹が小毬の兄の墓参りに行くシーンがありますが、その時に「謙吾の姿」を見ているんですよね。ゲーム中に誰かが死んだ、なんてシーンはありませんし、古式さんも助かったことになっています。が、墓参り。まあ、古式さんの墓に参っている以外に考えられません。つまりは、古式さんは夢の世界で助かったことになっていても、現実に戻ればやはり死んだまま、と言うことです。
 要は、現実でも謙吾は、古式さんのことを気にかけていて相談に乗っていたとは思うんですが、ゲーム中同様上手く行かず、結局自殺を思いとどまらせることが出来なかった…ということになると思います。
 ちなみに、ゲーム中では、1周目には古式さんのエピソードが全く出てきませんが、2周目以降では出てきます。そして、1周目では野球に参加しなかった謙吾は、2周目の古式さんのイベント後から参加するようになるわけです。「腕にひびが入った」とか言うこじつけのような理由をつけて。ここにも重大な意味が隠されているわけです。
 野球をやろう、とそもそも言い出したのは恭介です。そして、理樹と鈴を除いた8人のメンバーを集めようとします。恐らくは、現実世界でも同じようなことをして、同じようにわいわいやっていた8人だったんではないかと推測できます。ただ、謙吾は剣道を極めると言って、この輪には直接入らなかったんじゃないかと。結局は剣道にしか目が行かないままで。
 ここで、この世界の神たる恭介が動くわけです。理樹や鈴を成長させる=助けるためには、誰か1人が欠けてもダメだと。そこで、恭介は何とかして謙吾の勧誘を試みるわけです。それが、この古式さんのイベントなんでは無いかと思うわけです。
 つまりは、恭介は謙吾に「賭け」を持ちかけたんじゃないかと。つまり、古式さんが現実と同様に自殺に追い込まれるか否かを。また、謙吾がそれを説得できるか否かを。もし説得が出来れば、謙吾のリトルバスターズ入りは諦めるが、出来なければ素直に野球をやろうと。
 そこで謙吾は古式さんの説得を試みるわけですが、失敗します。結果として古式さんは助かることになりますが、あれは夢の世界だからこそ出来た芸当なんだとは思います。ただ、謙吾が嫌な光景を思い出させるようなことを引き受けるわけが無いので、「大丈夫。古式を死なしたりはしないから」とか言って、実際にも落ちるようなことが無いようにセッティングしたんだとは思います。が、どうもこの夢の世界は100%恭介の思い通りには進んでいないようで、古式さんは落ちてしまうわけですが…。これは恭介の計算違いってことになります。
 ちなみに、恭介が賭けを提案したとしたら、恭介はほぼ100%勝てる賭けだったように思います。それは、この時点の謙吾では古式さんを説得することなんて不可能だからです。つまり、剣道しか知らないわけですから。自分だって、剣の道が無くなれば何もないわけで。読書が趣味とか嘘をついてまで説得しようとしても、それは全く相手の心には伝わらないわけで。たぶん、古式さんは単に同情してもらってるだけにしか聴こえなかったんじゃないかと。そこに気付いていたのは恭介で、気付いていないのが謙吾なんだと思います。謙吾は、もしかしたら一番子どもなのかもしれませんしね。
 もう1つ思うのが、恭介は謙吾に知って欲しかったのかもしれません。自分たちも変わらなければ、結末は変えられないってことを。謙吾がそれでわかってくれたのかどうかはイマイチわかりませんけどね。謙吾は逆に、恭介を「恐ろしいやつ」と思ったのかもしれませんし、やや疑心暗鬼に陥った可能性もあります。
 性格が変わってしまったことですが、これはどう説明すれば良いのか…。両面考えれられると思うんです。
 1つは、恭介の意図に気付いて、剣道以外の部分を楽しもうと考えた。あるいは、この夢の世界を満喫することが最善の方法だと考えた…とか。結末を知っているのに、日常そのままの振る舞いを見せる真人に倣った可能性も高いですね。
 もう1つは、古式さんへの弔いの意味なのかなあ、と。上手く言葉に出来ないのですが、本当は泣き出したいくらいなのに、彼女の分まで笑って過ごそうと考えたのかと。

 この考察は、ネット友達の永空さんの助言があって書きました。ありがとうございました。