エロゲ・ギャルゲが3Dに置き換わる時は来るか?

 かぎにっきさんのエントリに便乗。
 表題のとおりですが、3Dのエロゲーが一般的にリリースされるようになって、かなりの時間が経ちました。
 かぎにっきのsonさんが書いているように、一般的に3Dのエロゲーといえば「抜きゲー」。色々なアングルが使え、「弄る」などの行為を2Dよりリアルに表現できるなどの利点もあるのでしょう。特にアングルの問題は大きいでしょうね。2Dだと、そのアングルだけ絵を描かなければならないのですが、3Dの場合だと、基本となる素体を3Dで作ってしまえば、どのアングルからでも鑑賞できるわけですし、服も着せ替え感覚で作ることが出来るなど、抜きゲーとして使いやすいのは明らかでしょう。もちろん、3D制作にはより高度な開発環境が必要ですし、スタッフの技術力も高いものが求められるでしょうから、費用対効果という意味では、なかなか新規のメーカーが参入しづらいものがあるのかもしれません。
 ただ、明らかに3Dでは「抜きゲー」が多くて、パソゲーでは主流の「普通の恋愛ゲーム」「泣きゲー」が少ないような。何ででしょうね?
 というのも、コンシューマなどでは3Dキャラのムービーや寸劇などが当たり前になっていますし、PSやSSの創成期みたいな「3Dアレルギー」みたいなものも、ユーザーの中では薄れてきているはずです。ですから、3Dキャラだけでのギャルゲーが主流に置き換わってもおかしくは無いように思うのですが…。
 それに、PC自体がハイスペックになってきていて、それほど高価な開発機材を使わずとも、高いレベルの3Dキャラの制作も出来るような気がするんです。それなのに何故なのでしょうか?
 考えられる理由としては5つくらい挙げられます。

1.絵買いの傾向が強い世界
 結局はギャルゲは絵、という事で、絵(しかも2Dの)で買うユーザーが依然として多いのかもしれません。またブランド=特定の絵師というところも多い(ほとんど?)ですしね。
 
2.3Dモデラーの数が少ない⇒CG塗り師さんが多い
 スタッフの絶対的な数の問題なのかもしれません。CG描きさんや塗り師さんの絶対数は変わらないはずですから、その比率がなかなか変わってこないこともあるのかもしれませんね。

3.開発費の問題?
 やはりCGで仕上げたほうが、3Dよりも圧倒的に安く済む可能性は高いですからね。

4.大手が参入しない
 ここが一番の問題だと思うのですが、大手や、メーカー・ブランド自体に求心力のあるところが、3Dにはなかなか手を出さずに2Dでずっと出し続けていることも、変わってこない理由なのかもしれません。

5.今のギャルゲのスタイルでは、3Dキャラでの効果的な演出方法がわからないor無い
 ギャルゲーって、かなり閉塞的になってきていると思うんですよ。泣きか萌えか抜きか? この辺しか無い、と。…となると、抜き以外の2つの要素で3Dキャラを活用しようとするにはどうすれば良いでしょう? …わかりませんよね。ただCGで表現していたものを3D化するだけなら、3Dにする意味がほとんどありませんから。
 ただコンシューマのRPGとかでは、途中のイベントシーンとか寸劇ではもう3Dが当たり前になってきていますし、3Dキャラでも感情移入も出来ますし萌えることだってできますからね。そろそろその手法がパソゲーのジャンルでも主流になってこないのかなあ?と思っているんですけど…。
 しかし流れはそうなっていません。でも、何処かが画期的なシステムを搭載したゲームを出せば、流れは一気に変わる…ような気がするんですけどねえ。
 
 それこそ、企画者とライター、原画家の強固なラインを崩すブランドが現れなければ難しいでしょうね。閉鎖的な世界ですし。
 あとはまあ、依然としてマシンパワーの問題もあるんでしょうけどね。HDDの容量圧迫も問題でしょうし。より綺麗な3Dキャラを動かすには、かなり良いCPUを積んで無いと滑らかに動いてくれませんしね。そういう3Dに耐えられるPCを持つユーザー数もそれほどいないのかもしれませんし。そもそもギャルゲユーザー自体が、ギャルゲに3Dを求めてないというか、2Dにこだわりを持つ傾向が強いようにも思いますし、3Dはコンシューマだけでいいと思っている傾向もあるでしょうしね。
 個人的には、少々2Dのゲームに新鮮味がなくなってきているので、3Dでも萌えて泣けるギャルゲーの登場を願いたいです。もうあるのかもしれませんけど…。
 抱きしめ方を選択できたりとか、キスする場所を選択できたりとか…。あ、でもマニアックな場所を選んだら何か抜きゲーになりそうですね…(汗。