SS書きには二つのスタンスがあるという話
SS書きとか色々と言っているので、こういうのがブログネタとして需要があるのかどうかわかりませんが、一応書いてみます。
知り合いのリトバスSS書きさんの会話とかを見ていて思ったのが、SS書きさんにはだいたい二つのスタンスがあるということです。
SS=ここでは二次創作の小説という意味で捕らえておいてください。僕はKey系(Kanon、Air、CLANNAD、リトルバスターズ!)とTo Heart2で書きました。それぞれ読み手の見方が異なるのが面白かったり。
本題に入ると、そのSSの書き手さんで、例えば「何でSSを書いてるのか?」という部分からまず異なっている、と言うことなんです。
例えば僕。僕はあくまで、原作に惚れ、あるいは原作の結末や話の流れに疑問や不満、あるいは物足りなさみたいなものを感じて、補完とかAnotherな話を書きたいから描いていたりします。
そして他方では、「書きたい話の方向性と原作が合わなくなってきたから、もうこの原作は卒業」と言うようなSS書きさんたちです。どういう意味なのかこの言葉だけではわかりにくいですが、つまり「自分が書きたいネタ」が先にあるパターンです。
まとめると、「原作ありきのSS作家」と「自分の創作ありきのSS作家」の二つに分かれると言うことです。
原作ありきのSS作家たちは、どちらかと言えば一次創作は苦手です。あくまで原作の設定やネタを使って、そこから想像や妄想を膨らませてSSを書いていくという手法のために、何も無いところからお話を作ることは苦手にしているフシがあります。
それに比べると、「自分の創作ありきの」人たちってのは、一次創作が得意です。と言うか、本当なら一次創作を書きたいんじゃないか?と思う人たちが結構多いです。この類の人たちは、自分の書きたいものの中から、原作との関連がありそうなところを結びつけて描いているようなことが多いようです。
ちなみに僕が心がけているのは、「いかに原作の雰囲気を壊さずに話を書けるか?」ってことですし、原作から「あ、こういう流れもアリだな」と思わせるようなSSを書くことなんで、創作ベースの人たちとは全く発想地点が異なってます。
もちろん、どちらが良いかは読み手の判断に委ねられるところなんで、あまり他の人のSSを読まない僕が言えることではありませんが、SSを読みに来る人の視点により近いのはたぶん「原作ありき」の方でしょう。実際にSSの感想には「原作では救われなかったけどここのSSで救われた」みたいな嬉しすぎる感想も来てますし、原作から想像できるウハウハな展開をSSという形で具現化したりもしているので、そういうSSへの好意的な反応やコメントも結構多いです。
逆に「創作ベース」の場合、悪い言い方をすれば、作者個人の独り善がりになることもあります。自分の書きたいものの方向性と、原作が示した世界観や方向性との親和性が無ければ、原作のアナザーな話を読みたい人たちにとっては「何か違う」という事にもなりかねませんから。それに、読者の反応や読みたいSSの傾向から次回作を書く、という書き方をしない人も多くて、読者の要望よりも作者個人が書きたいものの方向性を重視することが多いので、読者の期待を裏切ることも多いのかもしれません。
ただし、原作ベースのSS作家に比べて、創作ベースの作家さんたちの文章力は遥かに高いです。そういう人たちの文章からすれば、僕のSSなんて子どもの日記レベルですよ。単なる言葉回しや語彙力などだけじゃなく、伏線を張ってみたり、一つの小説として起承転結がはっきりと成立していたり、ギミックに学問的知識を取り入れていたり…etc.
なので、僕みたいな原作ベースのSS描きの場合、例え同じ鍵であっても、作品を跨ぐと読者がついて来ない場合が結構あります。具体的に言えば、CLANNADのSSだったら今でもアップした日に700くらいのアクセス増があったりします。5ヶ月間隔が空いても、ですからね。でもリトバスだったら…これよりは確実に少ないはずです。アニメ効果があるとは言え、僕はCLANNADのSS作家としての知名度はあっても、リトバスのSS作家としての知名度はかなり低いです。そしてそれから言えるのは、SS作家としての知名度はそれほど高まっていないってことでもあります。要は、作家自体に付く訳じゃなく、あくまでその原作のSS書きとしての人気しか無い、と。
でも逆に創作ベースの人の場合、もし一旦その人の文章に惹かれた場合、その作家の文章力や表現力、世界観に魅了されたってことでもあるでしょうから、例え作品を跨いでも作家自体に読者がつくので、ある程度固定ファンが付く可能性は高いと思います。
まあどちらからのスタンスにしても、書きたいものを書く、と言うのは変わりないんですけどね。僕ら原作ありきなSS書きであっても、創作ベースな人たちでも、結局書くもののベースは変わらないわけですから、あくまでどちらを選択するかってのは、採用する側の得意分野とかに被るかどうかですからね。
あとは、読み手さんたちの判断に委ねたいと思います。