リトルバスターズ!でKey同人人気が復活した理由とは?

 鍵っ子ですが、Keyのことは良いことも悪いことも書けるブロガーであり続けたいと思います。
 さて表題の件ですが、これを読んでくれている人はどう感じているのかわかりませんが、リトルバスターズ!の同人人気は、ここ7年くらいの鍵ジャンルにおける同人人気の中でもかなり凄い部類に入りますし、ゲームを出していないとは言え型月とほぼ並ぶくらいのコミケでのスペース数になっていましたから、盛り上がっていると言っても過言ではありません。SS(小説)でも書き手が急造していて、逆に読み手不足に陥ってしまっているようですが…。批判もある無印版→EXが1年で出てしまった件も、一般さんの興味を引き続ける意味では成功していると思いますし。あとはアニメ化までどう繋ぐかですけども、今のところ人気は1年くらい持続していて、今度の夏コミでも大幅に減少することは無いでしょう。しかし、何故リトバスで同人人気が復活したんでしょうか?
 ちなみに、CLANNAD発売後にはそこまでの盛り上がりは無かったように思います。まあCLANNADの場合は、その前に4年の空白というものもありましたから一概には比較は出来無いのですが。

  • 歴代のKeyサークルが戻ってきた

 これは…半分は当たりで半分はハズレです。というのも、CLANNAD以前から活動していた人もいれば、リトバスで新規に鍵に入った人も結構多いからです。今SS書きさんでチャットをしていますが、そこのメンバーでCLANNADからSSを書いていた人ってのは2割程度ですから。中には、Kanonではバリバリ描いていたのにそこから途絶え、リトバスで復活なんて人もいたりもしました。今のリトバスアンソロでも、CLANNADの頃に同人活動をしていた人ってかなり少数派な気が…(主にマジキュー4コマ)。もちろん、同人作家さんの主力は10代後半〜20代前半でしょうから、5年、10年と活動するような息の長い人もいますけど、それよりも新規サークルさんが増えたほうが割合としては大きいと思います。

  • キャラの横の繋がりが描かれた

 やはり大きいのはここかと思います。CLANNADでもそれなりには描かれてましたけども、メインシナリオで描かれていたのは、ことみシナリオでの杏・渚・椋くらいで。あとは後ろで繋がっていた智代と美佐枝さんとかそのくらいでは? AIRは本当に何もありませんでしたしね。
 その意味では、リトバスは相当にヒロイン同士の横の繋がりが描かれた作品だったと思います。鈴は小毬と佐々美、葉留佳と佳奈多は唯湖と、クドに至ってはシナリオ次第で佳奈多・葉留佳・美魚とのカラミが生まれるわけです。
 共通部分である肝試しイベントや、クドとの倉庫探索イベントなど、パターンの多いイベントが用意されてますので、このキャラとこのキャラが絡む時にはどうなるんだろう?ってのが少しだけでも提示されているわけです。無限の自由度を求めるような同人作家にはウケないでしょうが、ライトな作家さんには受け入れられやすい作りにはなっていると思います。
 主人公以外の男性キャラとヒロインたちとのカラミも少しありますしね。これも書きやすい土壌を生んだと思います。

  • 女性ユーザーが多かった

 コミケの参加サークルに占める女性の割合は男性を下回ったことが無いそうです。3日目しか知らない人とかだと「それおかしくね?」と思うんですが、例えば1,2日目は女性向けジャンルが大勢を占めているので、女性比率がめちゃくちゃ高いです。それに、コミケComic1サンクリ以外の大規模イベントの多くは女性向けジャンルが中心です。それだけに、いくら男性向けジャンルとは言え、女性ウケすることが同人で人気を得るジャンルとしては必要になってくるわけです。特にライトなエロサークルがあまり食いつかないギャルゲージャンルにおいては。
 同じような傾向としては、型月ですよね。やはり、エロゲ・ギャルゲだけど、エロや恋愛以外の部分で楽しめる部分が多かったり、主人公以外の男性キャラに魅力があったりするなどの要素が入っているからなんだと思います。
 リトバスにおいても、やはり恭介。理樹も色々と汎用性が高すぎますし。そして美魚が女性オタ視点で見てくれてますし(あれが正しいのかはわかりませんけども)、女性向けの要素が結構多いように思います。EXはあまり女性にウケる要素は無かったかな…。
 CLANNADも決して女性にウケない作品では無いんですけどね。春原いるし、秋生や芳野さんなど、むしろ男性キャラはリトバスよりも良いと思うんですが…まあ絡ませづらい感じで。

  • シナリオがユーザーライクだった

 これは僕が感じただけなんですが、わかりづらい要素をかなり作品中に説明してましたよね。CLANNADAIRは、謎な部分を投げっぱなししてましたし。それに比べると、虚構世界の説明をしていたリトバスはかなり親切に映りました。
 以前なら、そういう説明不足な部分があるほうがウケていたように思ったんですが、リトバスでの反応を見ている限りは、今はそうでも無いっぽいですね。もちろん好みは分かれるところだと思いますが、謎解きの部分にパワーを割くよりは、作品作りに重きを置きたいみたいな感じかも。

  • 作品自体の「軽さ」

 これは上手く説明できないんですが、要は「ライトな層にウケている」と言うことです。どちらかと言えばCLANNADは「重い」です。それとの比較から考えると、リトバスは「軽い」ですよね。
 もちろんシナリオとかは、個別もRefrainも重いんです。が、例えば作品中に流れる時間。これはわずか1ヶ月ちょっとです。CLANNADの数年、AIRの1000年(汗)と比較するともの凄く短いです。しかもそれが虚構のもので、それを繰り返しているだけ、と言う設定なので、実際の時間の流れとしたら…数十分くらいでしょうかw
 そして、そんな虚構の世界を作って演じていた…知らぬは理樹と鈴だけ、と言う設定も「えww マジかよwwww」と言ってしまうような、ある意味ではやりすぎな、ある意味では都合よすぎな設定とも言えます。
 正直、CLANNADのような、長期間の話をボリュームの上でも長くやっているのが好きな僕としては、リトバスの「軽さ」はそれほど好きじゃありません。が、実際には虚構世界すらネタにされてますし。CLANNADで幻想世界をネタにした作品は最近でこそ増えてきましたが、アニメが始まるまではそれほど無かったような。

  • 主人公の汎用性の高さ

 これは結構大きいと思います。それまでのKeyの主人公ってかなりイメージが固まってた印象が強いんですが、リトバスの理樹に関しては攻めも受けも出来るという汎用性がありますよね(違。
 冗談でも無いんですが、あまり我が強くなく、例えば共通ルートとかでは流されてるままだったり、ツッコミ担当になっていたりしてましたが、沙耶ルートではボケキャラ、あるいは壊れキャラにもなるという幅の広さも見せてくれました。割とこういう部分が、同人作品に自由度を求める人たちに書きやすい印象を与えたのかなあ、と思ったりしてます。男らしい部分を少しだけ見せたかと思うと、女装がめちゃくちゃ似合ってたりとか。


 思いつくのはこのくらいですかね。ともかくCLANNADに比べると、色々と間口の広さを感じますね。CLANNADは、ああやって京アニがいい具合にアニメ化してくれて、杏や風子、汐を可愛く描いてくれたからまだライトな層にも一部ウケたかな?と思うのですが。
 リトバスの場合、京アニがアニメ化すればかなりライトな層へ波及してくれると思います。何せ軽さを感じるし、アニメ映えする場面が多いし、構成さえ上手くやれれば(そこが一番問題)かなりイケると思うんですよね。アニメ化が楽しみですね。