リトバスジャンルに女性サークルが多い理由はな何故?

 この前のオンリーイベントでもそうですが、リトルバスターズ!ジャンルの同人サークルさんの、女性サークルさんが占める割合はかなり高いです。乱暴な言い方にはなりますが、女性サークルさんのほうが絵をずっと描いているからなのか見た目の絵のレベルが高いことが多いですよね。そういうこともあってか、女性サークルさんに人が集まる傾向が強く、気がつけば7,8割は女性サークルさんの本だったと言う経験が多くありますし、女性サークルさんがジャンルを下支えしている傾向も見えてきます。
 では、何故これほど女性サークルさんがリトバスで同人を続けているんでしょう? コミケなどではサークル数の減少傾向は見えますので、恐らくは男性サークルさんの流出と、女性サークルさんの継続でこういう現象が起きているんでしょうが、次の冬コミでもその傾向は継続するものと思われます。その理由を探っていきましょう。

  • エロが無くても構わない風潮

 発売直後くらいだとわかりませんが、現在も18禁で出し続けているリトバスサークルさんはほとんど無いでしょう。BLの18禁はありますが、男性向け18禁本の比率は男性向けジャンルとしてはかなり低いように思います。それはひとえに、買う側も18禁本ではなく、全年齢本を求めているからでは無いでしょうか?
 本当のところはわからないんですけどね。18禁本を出せば需要があるのかどうかは。ただ、18禁じゃなくて健全なネタ本に需要があるという状況は、男女のカラミでの18禁本を好んで出さない女性サークルさんにとっては、活動しやすいジャンルなのかな?と思うのですが。

  • 必ずしも理樹を主人公として据えなくてもいい

 この前のエントリでも書いた「理樹がメインヒロイン」なのと関連してますが…。主人公×ヒロインCPに依存していないのが大きいのかな、と。どうしてもギャルゲージャンルと言えば、主人公=プレイヤーみたいになっているので、主人公視点以外はNGみたいな人も実際には多いですし、ヒロインが主人公以外のキャラとくっつくのに抵抗感のある人も意外に多かったり。
 ただこのリトバスジャンルでは、百合あり恭こまあり、恭理あり女装理樹ありと、主人公としての直枝理樹ではなく、あくまでヒロインだったりいじられキャラだったりというパターンで使われることが多いのも特徴でしょう。
 今までのKeyジャンルだと、主人公が主人公たる理由がはっきりしていたし、主人公が作品世界の中心に据えられてたりと言うことで、主人公を除外してのエピソードを考えづらい内容になってました。が、リトバスは世界観設定やらシナリオ的に、理樹が中心ではあるんですが、理樹は逆に言えば「巻き込まれてる」存在ですからね。恭介とか、小毬、姉御など、舞台の中心に立てるキャラが他にいるので、自由度も高いし同人としての幅も広がりますよね。

  • カップリングが無限大→BLも百合も、もちろんノーマルも

 BLカップリングは恭理しかほぼありませんが(あまり他を見たことがない)、百合CPについてはかなり多岐にわたります。小毬関連はもちろんのこと、鈴ささ、かなクド、はるかな、みおみど、はるゆいなど、挙げるとキリがないくらいです。
 ノーマルでも、理樹関連以外では恭こまが大勢力になってますし、真クドもそれなりの勢力、あと恭かな、謙吾×古式さんってのも見受けられますからね。理樹とは関係のないところで話も進められますから。
 んで、そういうカップリングを提唱してる女性サークルさんが多いんですよね。男性サークルさんでも、百合CPは結構見るんですが、それ以外で理樹が絡まないCPはあまり見ない気がします。そういう選択肢の多さ…無限大?って思うくらいのジャンルの幅広さが、女性サークルさんにウケてるのかなあ、とか思うわけです。

  • 日常部分だけでもとにかく楽しい/ストーリーの深部まで考察をしなくとも書ける内容

 同人ではそれほど広がらなかったCLANNADや、ブーム的な人気にもなったのに驚くほど同人は流行らなかったAIRでもそうでしたが、Key作品で大本のシナリオが難解で、それが中心に据えられている作品は、個人的に見ても同人がやりにくいと思いました(CLANNADはその難解さを読み解いて、かつそれを利用して作品を書いていたので楽しかったのですが、浅くゲームにハマった人には二次創作が描きにくかっただろうという意味です)。
 それがリトバスはどうでしょう? そこまで詳しく考察してる人もいるんでしょうが、考察アリでも面白いものは描けるでしょうが、考察なしで日常や共通ルートだけのリトバスだけでも、十分に同人ができますよね? それに、恭理とかその辺の設定をすっ飛ばしたものもかなりありますし、原作依存度が低くてもそれなりに描けるんじゃないかなって。キャラとキャラだけでも成立するあたりが、女性同人作家さんたちに受け入れられてる側面もあるような気がします。もちろん、考察まで行かなくとも、虚構世界と現実世界設定を生かした話を描いてる女性作家さんもいますし、総じて優れた話のことが多いです。

  • 女性サークルさんが提唱したジャンルにハマる男性読者

 そして、買いに来るのは多くが男性です。確かに女性率も上がりましたが、オンリーイベントくらいではメインは男性の作家さんです。
 どうしてジャンルが継続しているのかと言えば、買いに来る層が、そんな女性サークルさんが提唱してるジャンルの本を買っていくからなんですよね。それは恭理であっても。
 百合が好きな人は多いのはわかりますが、女装理樹君は人気ジャンルですし、恭こまとかも有力すぎるサークルさんが手がけているので人気が確立しています。要は、書き手の需要と読み手の需要が一致しているってことなんですよね。だから、女性サークルさんも辞めることなく継続しているんじゃないかと。いずれアニメ化するんじゃないかという期待感もあるでしょうけども、需要がいきなり落ち込むことが無いのは大きいように思います。
 
 と、女性サークルさんを持ち上げただけみたいなエントリになってしまいましたが、女性サークルさんは継続して同一ジャンルで活動するんで、ジャンル継続には貴重な存在なんですよね。そう考えると、リトバスジャンルはまだ1年くらいは安泰なんじゃないかとさえ思ったりしてます。


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