「Brave Song」と「Thousand Enemies」の歌詞が繋がっている件

 ガルデモ曲含め、クオリティが高く本編の内容を補完するかのようなAngel Beats!関連曲ですが、歌詞内容を吟味していくとまた違った側面から、AB!の世界観やストーリーが見えてくるかと思います。
 さて今回は、表題の通り「Brave Song」と「Thousand Enemies」の歌詞が繋がっている、と言うことを見ていきたいと思います。
 ガルデモ曲+主題歌・ED曲は、それぞれ岩沢・ユイ・天使・ゆりの視点で歌詞が描かれているのはご存知の通りです。音無視点と音無の心情のみで描かれているのがAB!本編なので、他キャラの視点や心情描写を歌の形で表しているのがAB!関連曲の位置づけになっています。
 「Brave Song」はAB!のエンディング曲で、ゆりっぺの心情を歌っているとされています。11話ではなかなか切ない感じで流れていましたが、この歌詞を読み込めばゆりっぺがどういうキャラなのかがよくわかると言うか、如何に本編では本心が描かれていないかがよくわかると思います。これは、音無には本心をあまり見せていないと言うことですね。
 そして一方の「Thousand Enemies(千敵)」はガルデモ二期……つまりはユイにゃんがボーカルになって初めての曲という位置づけになっています。この歌詞ですが、個人的にはユイが岩沢に向けて……と思っていたり、他の方の意見では10話の内容からユイが日向に向けた……という話がありましたが、確実にこれはユイからゆりっぺへ向けての内容だと思います。
 「不機嫌そうな君と過ごして……戦うことに必死」とありますが、これは新規メンバーとして戦線に加入してからの「不機嫌そうな」のが君と言うことです。不機嫌そうなキャラって誰でしょう? まあユイ加入には誰もいい顔をしてませんでしたが、いつも不機嫌そうなのは、ケンカばかりする日向と言うよりは、いつもふんぞり返っているゆりっぺでは無いでしょうか? クールそうに見えて戦いには真剣ですしね。必死……とも言えるでしょう。
 「迷った時には心の地図を……」という部分は、リーダーであるゆりっぺに道を示して欲しいとユイが言っているんじゃないでしょうか? 特に、目的が多岐に渡っていて曖昧なユイは行く先が「自分じゃわからない」となるのではないでしょうか?
 「夏の陽射し暑くても……」と言うのが、日向がトラウマになってる夏の甲子園っぽくもありますが、ここはむしろ「いつまでも 変えないで 氷のように」と言う部分が重要では無いでしょうか? というのも、これはマイペースさを崩さないと言うことにも繋がりますしね。そしてここから先は、Brave Songと繋がっているんじゃないかという箇所を挙げていきたいと思います。
 
 
 先程挙げた「いつまでも 変えないで 氷のように」と言うのは、Brave Songの「それでもひとりで歩いてた」に繋がるような気がします。どんな困難があっても変わらないゆりっぺと、それを変えて欲しくないと思ってるユイという構図になるのでしょうか。それは、千敵の「どんなものも通さない頑固な意地を」という部分にも掛かってくるように思います。
 千敵の「形ある心……君も持ってる」と言うのは、氷のような頑なな心だけど、人間らしい心をゆりも持ってるっていうユイの心情なのでしょうか。Brave Songでも「孤独さえ愛し笑ってられるように……涙なんて見せないんだ」と言うフレーズがあるように、ゆりは表面上は強さを装って人間らしい心を見せないようにしていると読み取れますよね。
 千敵の「その時には溜まっていた……ぜんぶ聞いてやる」と言うのは、ゆりっぺが頑なに自分の気持ちを押しとどめていることをユイも知っているんじゃないかと考えています。そして自分も本心や生い立ちを隠しているわけで、「あたしも持ってる」となるのではないでしょうか? Brave Songの「いつかはみんなと過ごした日々も忘れてどこかで生きてるよ」というところに呼応しているように思うのです。ユイがゆりに対して、ひとりじゃないよ! とちょっと背伸びして言ってみてるように思います。
 また「お腹が空いて」と言うのはどちらの曲にもあるフレーズなんですよね。敢えて入れないとこんなフレーズは入らないと思うんで。ただ千敵の「お腹がすいて」は戦い前なのに対して、Brave Songのほうは戦い(オペレーション?)が終わってからと言う意味の違いはありますけどね。
 

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 こんな感じでしょうか? 実のところ、Brave SongはMy Songとも繋がっている様子があったり、My SongはAnswer Songに繋がっていたりなど、比べてみるともの凄く繋がっている印象があります。11話であったように、ゆりっぺは戦線メンバーからの信頼が厚いんですよね。ガルデモメンバーからも同様に信頼されていたのではないかと思います。
 こじつけだ!と言われそうですが、ゆりっぺとユイにゃんの繋がりって、音無にとって興味がなかったから描かれなかっただけで、実はふたりのやり取りはそれなりにあったんじゃないかと推測しています。
 描かれた部分だけでも、例えばユイはゆりっぺに対して、ガルデモボーカルとして取り立ててもらえた恩義みたいなものはあるんじゃないかと思うのです。4話で、あまり期待はしていない様子ではあったものの、他の戦線メンバーたちがほとんど反対に回る中(日向も含むw)、ガルデモメンバーに判断してもらおうと決めたのはゆりっぺですからね。
 ゆりっぺもユイに対して、4話の野球のところでは「ふたりとも消えてくれ……」と捨て台詞を吐いていたり、ライブでの陽動としてもあまり期待していない様子が描かれているんですが、その割には戦線の中枢メンバーに入れてますし、天使ちゃん会長失脚作戦やらに帯同もさせています。一番気になったのは、8話でギルドに再び降下して行く時ですね。ユイは崖を降りる際に自爆のような形でゲームオーバーになってしまうわけですが、ユイがいなくなったことに気づいたゆりが「天使の餌食か……かわいそうに。すぐ助けてあげるから」とユイのことを言ってるんですよね。これまでユイは、全くオペレーション的には役立たずだったのにこんな言葉をかけてるってのは、何かしら親しみを持ってるのかもしれませんし、あるいはこの世界で自由に生きているユイに対して特別な感情を持っているのかもしれません。確認した中で、ゆりが唯一、呼称に「さん」「くん」「ちゃん」を付けずに呼んでるのがユイなので。
 描かれていないだけで、ゆりとユイにも何かふたりだけのエピソードとかあるのだと思います。それが垣間見えるのが、「Thousand Enemies」なんじゃないかな? と思っています。



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