天使(奏)とユイにゃんは死んではいないのか?〜Angel Beats! 第8話 考察

 9話を見た後にこの記事を見る人も多いのかもしれませんが、とりあえず金曜夜の段階で書いていることをご了解ください。
 さて今回は、天使ちゃんこと立華奏は、実は死んではいないのではないか? というものです。
 このAngel Beats!の世界は、皆死んだから来ていると言う事になっていて、恐らくは戦線メンバーはすべて、不慮の事故や志半ばでの死を経ています。まだ死因が明らかになってないメンバーはたくさんいるのですが、皆が生前の世界でやり残したことがあるから、ゆりっぺに従ってSSSとして反模範的行為をしているものと思われます。音無にしても、ゆりに1話冒頭で勧誘されたのは、そんな存在だったことが何らかの形でわかったからこそだったかと思いますし、天使が殺したのもその現実を教えるため、もしくは殺さなければ消えてしまうから、だったと思われます(何で音無がそうだとわかったのかはわかりませんが……)。
 戦線メンバーはそうだとわかりますし、戦線に入らなかった直井も、本来であれば消えてしまうはずの生徒会側に入った上で消えないように陰で一般生徒に暴力をふるっており、反模範的行為を自発的に行っています。なので基本的に、この世界で意志を持って生きていくためには、反模範的行為を行う必要がある、と言うことになります。
 しかし、奏はどうでしょうか? 天使である、と言うのは「Angel Player」の存在からも後付けの可能性が出てきました。天使役を任されているために、模範的行為をさせられている、あるいは模範的行為を許されていると考えるのが普通でしょうが、しかし何か引っかかります。と言うのは、模範的行為をしているのは一般生徒です。まあ一般生徒もガルデモのライブなどで道を外すことはあるのですが、基本的には模範的な行為に終始しています。要は、天使役とはいえ奏は、一般生徒に近い存在だと言えます。
 ここでひとつの疑問にぶち当たります。それは、一般生徒たちもみんな死人なのかどうか? と言う点です。
 AB!の世界は死後の世界と言うことにはなっていますが、少なくとも一般生徒たちは戦線メンバーたちのように未練を持ったまま死んでいないと言うことになります。……が、戦線メンバーたちが死んだ時の年齢そのままにこの世界で現れていることを考えると、一般生徒たちももし死んでいるとしたらそのままの年齢でこの世界に現れていることになります。
 しかし待ってください。あの年齢で死んでいて未練がないなどあり得ないでしょう。そもそも未練の残らない死という概念自体が、あまりにも普通ではありません。しかもそれが生徒の大多数を占めているわけで、死に未練を持つ戦線メンバーが異端ということにもなってしまいます。CLANNADあたりの世界観からすればあり得る話なんですが……「死」をそれほど軽く考えるわけじゃない麻枝さんの考えからすれば、死を軽く受け止めてしまっているキャラが溢れている世界観を構築するとは考えにくいのです。とすれば、一般生徒は死んでいない、世界を構成するために世界を作った人間(あるいは意思?)が配置したキャラたちだ、と言うことになるわけです。
 そうなると、天使こと奏は、元々は一般生徒だった……と考えるならば、現実では死んでいない可能性が出てくるわけです。死んでたとしても未練がない状態なのは間違いないでしょう。
 まあ奏は、生徒会長を降ろされた後は、一般生徒を殺したり(直井回)、マーボー豆腐食べに行ったり、校外に釣りに行ったりと校則違反など非模範的行為を繰り返しているわけなので、何が消える基準なのかがよくわからないのですが、奏は天使であるがために模範的行為を意思を持って行えているのだとしたら、これらの非模範的行為が存在を危うくする可能性はあるでしょう。それをするのが「Angel Player」なのかはたまた神なのかはわかりませんが……。
 
 天使ちゃんこと立華奏についてはこのくらいしか書けませんが、更に気になるキャラがいます。ユイにゃんです。
 前回の考察と言うか予想の中で、ユイが音無の記憶の中に登場すると言うことを少し書きました。7話で、音無が妹を亡くし親戚の誘いも断って途方にくれていたときに、、女の子が退院している場面に遭遇して、そこから医師を目指して猛勉強+バイトを始めるシーンがありますが、あれはユイにゃんですよね? 正直、今見返してみると、髪型は多少似てるだけであとは声が同じ、と言うだけではありましたが、間違いなくユイだと思います。これって何を示しているんでしょうか?
 年齢差はともかくとしても、つまりは音無がこの年齢になるまでユイは生きていた、と言うことになります。ゆりっぺの記憶の中にあるユイ似の妹と比較しても、年齢が重ねられているようにも見受けられます。
 これを踏まえると……ゆりの弟や妹たちは全員死んではいないのでは……? という推論へと達します。2話の回想シーンでは、ゆりの中では全員殺されたことになっていましたが、血しぶきは映されていたものの、殺された場面とか悲鳴みたいなものが映し出されたわけではありませんでしたからね。なのでもしかすると、その中でユイ似の妹だけは助かったとかそういうことになったのかもしれません。そもそも音無の記憶が完全ではない(らしい……9話TV版予告の最後のセリフより)ようですし、ゆりの記憶も不完全なものなのかもしれません。何せゆりの死因も未だに明かされていませんからね。
 そもそもユイも、未だに死因がハッキリしませんし、過去にどんな未練を持っているのかも定かではありません。天使に向けて攻撃したこともあるわけではありませんし、その辺は前回の記事を参照していだだけたらわかるとおりです。ですから、もし「死んでいない」のだとしたら、その特殊性が頷けるものになるような気がします。
 まあ、ユイは非模範的な行動をしていますし、そもそも戦線に入っているのですが、戦線に貢献しているわけではありませんよね。ズレた行動も「実は死人じゃない」ことを踏まえると納得出来る部分があるように感じます。
 
 ユイが生きているのだとしたら、どうしてこの世界にいるのか? あるいは呼ばれたのか? については、今後の展開を大きく左右させていきそうです。前回の「ユイにゃん天使になる説」も1つですが、そもそもユイがゆりの妹だとしたら、ゆりにこの世界で輝いて欲しい、あるいはやり残したことを全てやり遂げて欲しい、そう願っている可能性はありそうですので。
 ずっと考えているのが、ゆりの記憶は実はもっと悲惨で、まだあれでもオブラートに包まれているのではないか? と思っているのですが、それはまた別の話ですね。

 おそらくこの辺の謎については、近いうちに明かされていくでしょう。奏がそもそも何者であるかと言うのは、それこそ9話で明かされそうですしね。この説が当たっているかどうかはわかりませんが……(ぇ。


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