最適なコミケ遠征方法とは?〜2010年夏版

 夏コミが近づいてきました。そろそろ地方からのコミケ遠征方法も決めつつあるような今日この頃でしょうが、まだまだどうやって行こうかを悩んでいる方、決めていない方もいると思われます。
 そこで、主に関西からですが、恐らくは名古屋方面や仙台あたりからもコミケへの遠征に使えるいくつかのルート・方法と、利点と欠点を交えて挙げていきたいと思います。

  • 高速バス……直接有明へ乗り込む便

 これが個人的には一番安いしオススメです。名古屋や仙台からもあると思いますが、関西からでは今日現在、3路線くらいが楽天トラベルから申し込める分で、直接有明まで運んでくれます。安いバス会社では4800円から。ピンきりで、高速バス大手のウィラー系列のバスなら6000円でこれが一番高いです。いずれも4列のスタンダードタイプなのですが、乗り心地には差があるのかもしれません。無いかもしれませんが。
 利点は、安いことと、片道から申し込める点でしょうね。後述するバスツアーなど企画型でも片道が選べるところもありますが、往復で申込むところが多いので、かなり自由が利くと思います。あとは、時間の融通が利くあたりかもしれません。行きはともかく、帰りは自分の好きな時間のバスなり新幹線で帰ればいいわけですからね。ギリギリまで東京でオフ会に参加して……というのもアリですし、のぞみに乗って当日中に帰ることも可能なわけです。自由席で新幹線で関西まで帰れば往復で18000円くらいかかるわけですが……。体力のある方なら、1日はバスで早朝に乗り込み、どこかのネットカフェで宿泊・仮眠して次の日の戦いに備えるってことも出来ますし、友人ネットワークがあるのであれば、友人宅に泊まってということも出来ますから、結構柔軟に計画を立てられると思います。
 3列独立シートに慣れた方なら、4列シートでしかもゆったり型じゃないタイプしか無いのは窮屈に感じるでしょうね。それでも、都内に着いてから通勤電車並の混雑に遭遇しなくて済むのは助かると思いますし、意外に不便で遠いビッグサイトまでの交通手段を考えなくても済むのはありがたいです。その代わり、直接ビッグサイトということで、コインロッカー等に荷物を預けたりが出来ないのはマイナスですね……。

楽天トラベル・高速バス予約ページ
http://travel.rakuten.co.jp/bus/

 最もポピュラーで親しまれているプランです。利点としては、コミケ遠征に最適化されていることで、例えば早朝に東京に到着して大江戸温泉物語あたりに寄ってくれたり、サークル参加者用にギリギリまで車内で留まらせてくれたりといったサービスや、何よりかなり早くに降車できて待機列へと向かえるのが利点でしょう(もちろん4時半以降になると思いますが)。
 また、宿泊付きプランであったり、帰りは名古屋まで新幹線のプランだったりと色々と選べるのも特徴です。宿泊プランであれば、サンルート有明など、ビッグサイト周辺のホテルも割増料金ながら選択可能でもあります。
 ただし、難点は……高いです。夜行バス-夜行バスのプランでも往復で11500円かかります。普通の高速バスが片道5000円を切ってることを考えるとかなり割高と言えます。もちろん、事前に温泉に入れたりなど融通がきく面はありますが、バスは時にはもの凄くボロい車両が来たりもするので、乗り心地は運次第という側面もあります(今はどうかわかりませんが、数年前は行きと帰りでバスの広さや大きさ自体が全く異なりました。同じ会社なのに……)。宿泊付きだと21900円、片道名古屋まで新幹線のプラン(とりあえず当日中に帰宅できる)なら15700円です。ホテルは、探せば10000円未満のところもたくさんありますし、値段だけで考えるとそれほどメリットはありません。時間の制約もありますし、何より急な予定変更で身動きが取れなくなる危険性ははらんでいます。
 とは言え、自分で予約とか面倒だしという方や、地理とかよくわからないって人にはオススメできると思います。宿泊プランで選べるホテルは、多くが乗り換えなしでビッグサイトまで行ける場所にありますしね。行きは大江戸温泉物語でさっぱりしてから行けますし、女性にオススメですね(ただし温泉は、割引がありますが別料金です)。初めてコミケに行く、って方にはいいんじゃないかと思います。

名鉄観光:コミックバスツアーのHP
http://www.mwt.co.jp/comic/index.shtml

  • 高速バス……都内各所着の便

 新宿や東京駅などに到着し、そこからは自力でビッグサイトを目指すという方法です。
 この方法の最大のメリットは、好きなバスを選べるところにあるでしょう。ビッグサイトへ直接乗り入れるバスの十倍以上の種類がありますから、3列独立シートとか無線LAN付きバスであったり、昼行バスなど、時間も車両も思いのままに選べますし料金もピンきりです。中には、新木場であったり東雲であったりと言った、ビッグサイト近郊まで向かうバスもありますから、直接乗り入れる便ほどではないにしても、それなりには便利です。大体のバスが東京駅や新宿で降車できますし、東京駅からだと臨時の都バスが、新宿だと埼京線りんかい線乗り入れで乗り換えなしで行けることもありますし、どちらにしてもさほど不便ではないでしょう。バスを降りてからコーヒーショップやマクドで朝食を優雅に取るなんでことも出来ますし、荷物もコインロッカーに預けるなどの余裕もあります。
 ただしデメリットも。このプランだと、到着時刻は午前5時以降になるのが普通なので、その時点でりんかい線など公共交通機関の始発組よりも大幅に遅れをとることになるんですよね。東の待機列に入れなくなってしまえば、それこそ10時の開場後に並びに行ったほうが早く入れることも多いので、非常に中途半端だと言えます。また、到着地からビッグサイトまでの移動と交通費が余分にかさみます。荷物が多いと乗り換えだけでしんどいですからね。
 なのでこのプランは、始発にこだわらないという一般の方と、サークルの方にはおすすめです。バス会社の中には、キャンセルを数日前まで待ってくれるところもありますから、予定変更も柔軟にできますし、帰りの交通手段・時間の拘束もありませんし(予約しないと高速バスは乗れないと思いますけど)、ある程度交通関係だったり、高速バス予約に慣れた人には良いと思います。

■JR高速バスのページ
http://www.kakuyasubus.jp/

高速バスネット(私鉄などの高速バス検索ページ)
http://www.kousokubus.net/PC/index.aspx

楽天トラベル・高速バス予約ページ(再掲)
http://travel.rakuten.co.jp/bus/

 もう予約は締め切られていると思いますが、18きっぷのシーズンのみ臨時運転している「大垣〜東京」の快速ムーンライトながらを利用するというのは、多くのコミケ参加者が通ってきた道じゃないかと思います。定期運行されていた頃のダイヤであれば、余裕で京葉線始発に乗れ、りんかい線新木場駅から始発でビッグサイトまで向かえていたはずですが、今は東京到着が若干遅くなったのでどうなったのかはわかりません。ただし、いきなり品川・東京に到着するので、そこからビッグサイトに向かう始発列車に間に合うというのが最大のメリットでしょう。また費用面でも、名古屋方面からであれば、18きっぷ1回分+日付変更される駅までの乗車券+指定席券の料金で東京まで行けるので、以前であれば3000円ちょっとで行けた場所もあったくらいに、コスト面でも強いのが特徴でした。
 しかしながらデメリットも。まず、予約が面倒かつなかなか取れないことがあります。今はどうなってるのかわからないんですが、当時は乗車の1ヶ月前にみどりの窓口に行って係の人に頼むという原始的な方法しかありませんでした(汗。また、費用面でもあまりメリットは無いかもしれません。大阪方面から向かう場合、18きっぷを2回分使用するか、豊橋までの乗車券を別に買うかという2択なわけですが、それプラス指定席券ということで、軽く5000円を越えてしまうんですよね。当日中にまた帰るとなると、18きっぷ1回分+帰りの指定席券なので、往復でも合計8000円かからないというリーズナブルさが出てくるわけですが、1日だけ参加してトンボ帰りするって人も減ってきているのではないかと思うので、あまり使えないのかな? と考えています。帰りも指定席を取らないといけない面倒さも出てきますしね。また、大垣以西や東海道本線以外の場所から乗車する場合だと、当然ながらそこまで乗り換えてこないといけないのも面倒かもしれません。
 ちなみに、ムーンライトながらの現行の車両はどんなタイプが来ているのかはわかりませんが、JR東海の「ワイドビュー」であったり、旧型の特急用車両を使っているので、乗り心地は非常に良いことを付け加えておきます。高速バスとは雲泥の差じゃないかな……と思ってます。
 ちなみに、ムーンライト冠名の夜行快速列車は他に信州とえちごがありますが、信州は上りが花火大会のための専用列車のようなのでコミケ遠征には使えなさそうです。えちごは18きっぷ期間に合わせた運転日なので、新潟方面の方もこの作戦は有効だと思います。ただし、ムーンライトえちごにはどんな車両が充当されるのかまでは把握してませんが……。

 特急の、いわゆるブルートレインです。サンライズは客車じゃなく電車なので厳密には異なりますが。各地を夜に出て東京に朝に着く特急のことです。
 何より、寝台列車ですし、サンライズなどは車両も新しいので内装も綺麗らしいですから、快適さが高速バスや、ムーンライトシリーズから比較すると全然上だと思います(思います、なのは、乗ったことがないからです。。。)。
 ただし当然ながら、非常に費用が高いです。18きっぷは当然ながら使えませんし、乗車券に特急券、そして最低でも5000円以上する寝台料金がかかります。大阪から単純計算しても2万円近くするわけです。サンライズには指定席車両があるので、そちらにすると寝台料金はかかりませんが、座席幅は広いにしてもあくまで座席になりますからね……※訂正:電化製品さんからいただいた情報によると、ゴロンとシートというやつみたいで、区切られたスペースに寝転がることができる座席?だそうで、なかなか快適のようですhttp://www62.tok2.com/home/tsubame787/seat_285.html)。
 また、東京に到着する時刻が、ムーンライトや高速バスよりも遅めです。サンライズだと7時過ぎますからね。一般入場の場合はかなり中途半端かもしれません。
 個人的には、かなりリッチな、あるいはそれしか交通手段がない場合の方法という認識です。
 ちなみに、今年定期運行が廃止になると騒がれた、急行能登コミケ期間中の毎日運転していますのでコミケ遠征に利用することも可能です。金沢発なので、福井〜富山あたりの方には使いやすいかと思います。能登は急行ということで、18きっぷこそ使えませんが、急行料金は上限でも1260円と安いのが特徴です。指定席券と合わせても特急料金に比べると全然安いのです。高速バスよりは高くつきますが……。

 京都からなら9時間くらいかかるプランです。丸々各駅停車(新快速などを含む)で、かつ昼間だけの移動が可能なので、18きっぷを最小限に使うのみで行けることになります。なので交通費的にはどの手段よりも安く済みます。
 もちろん、デメリットは……まずしんどいです。電車のタイプはそれぞれですし、熱海〜米原くらいまでは車両の編成数が非常に短いものが続くことがあり、場合によっては同じ18きっぷ遠征者が先に座っていることもありますので、座ることすら出来ない場合があります……。また、乗り換えが多くて面倒です。京都からだと、米原・大垣・豊橋・浜松・静岡・熱海などで乗り換えることになり、たまに階段を昇り降りしなければならないのでよりしんどくなります。
 時間的に制約が実は大きいのも特徴です。東京で宿泊場所があるのなら問題ありませんが、これで移動するのはやはりお金がない場合がほとんどだろうと思いますので、泊まらずに帰ることになるかと思います。が、京都まで帰ろうと思えば、東京を15時には出なければその日中には帰ってこれません。
 ただ、時間の余裕があるのなら、途中の駅で下車して名物を食ったり観光したりすることも可能なので、気ままに旅の途中も楽しめるとも言えます。時間があれば僕もまたやりたいんですけどね……。

<追記>
※ちなみに、東京都内のネットカフェは身分証なしでは利用できなくなったそうです。未成年の外泊・犯罪対策だとは思いますが……。そもそも都条例で未成年の深夜・早朝の外出は禁止されていますので、大人の方は身分証を忘れずにネットカフェへ行ってください。

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 僕が挙げたのはごく一部かもしれませんが、大体の方法は実際に試してやってるのでこんな感じかと思います。今からでは可能なプランは多くないかもしれませんが、まだまだ高速バスは余裕ありますしいけると思います。皆さんの懐具合や体力、時間との兼ね合いから最適な方法を選んで、楽しいコミケ遠征に役立ててもらえれば幸いですw


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