SHIROBAKO4話で半額弁当を買いに行った安原絵麻さんに見る新人アニメーターの懐事情

 これが読まれる頃には5話が公開されているSHIROBAKOですが、4話で少し気になったところがあったので振り返っておきます。
 飲み会終了後に最寄り駅に着いたあおいに、新人アニメーターである安原絵麻が「スーパーに寄ってく」と言って別れたところです。

 理由は「明日の弁当買ってく。半額になってると思うから」でした。半額弁当ということで、狼たちが集う某ベン・トーというアニメを思い出すわけですが、楽しかったはずの親友たちとの久々の飲み会の後、気分が良いまま帰ってもいいところをちゃんと次の日の準備を怠らないあたり、絵麻の真面目な性格が伺えるというものだと思います。あおいはこの後、タローの電話をあしらった後も気分良く歌いながら帰ってるのと比較するとより違いがわかるかと思います。


一部で地味だけど真面目で可愛いと評判の安原絵麻さん(原画)。お酒が入って上気した頬が可愛いですね。

 ところで気になるのが、絵麻が半額弁当を買いに行ったことではなく、次の日の昼食としてそれを買いに行ったことです。あおいも気にも留めてなかったあたりで珍しいことじゃないのがわかりますが(あおいは結構酔ってる感じだったので気が付かなかっただけかもしれませんが)、個人的には2つの理由があるような気がしています。
 1つ目は、あおいと比較すると堅実だということです。それだけ出費に気を遣っているということで、女子力が高いというか貯金をしたいからだとかそういう意味で普段から昼食代を節約しているというのなら、真面目な性格からしてもわかる気がします。
 2つ目は、ガチで給料が安いから、というものです。原画や動画といえば枚数を描いてナンボの世界とよく言われています。なので新人だと余計に薄給になってしまうと言うのは枚数が上げられないからだということです。絵麻は手が遅いことで相当悩んでいるような場面がいくつも出てきましたし、3話で総作画監督補の井口さんが次の日の朝までにあげられるって言った時の信じられないような感じの驚きとか考えるとまだまだ枚数はあげられないし重要な場面も出来ないのでしょう。なので少しでも生活費を切り詰めるために半額弁当を買っておいて次の日のお昼ごはんにするという涙ぐましい倹約をしていると考えられます。飲み会で出費もあったことから余計に出費を抑えようとしているのかもしれません。
 個人的に気になるのは、半額弁当を次の日の昼に食べる、という行為です。弁当って何で半額になるかっていうと、消費期限はその日当日のみ、だからなんですよね。次の日には売れないからなのです。即くさったり食べてあたったりはしないかもしれませんが、いくら冷蔵庫に入れておいてもその危険性はより高まるわけです。そんなものを食べて仕事をしているというのは何とも涙ぐましいというか、新人アニメーターならではの苦境ということかもしれません。そういえば4話の再会したシーンで「痩せた?」と言われて「やつれただけだよ」と返していましたが、本当にやつれていたのだとしたら既にカロリー的にも切り詰めているのかもしれません。ちょっと心配になってしまいます。
 一方のあおいですが、コンビニ弁当を買っているようです。


 コンビニ弁当ばかり食べているようで。。

 求人を調べてみるとわかりますが、制作進行は月給いくらで支払われるようです。もちろんバイトみたいなのもあるのでしょうが、あおいのようにちゃんと社員で入ってちゃんと仕事をこなしているのであればそれなりの給料が入ってくるようです。要はこの時点でも既に、アニメ業界からもらえる給料には格差が生じているということでもあることを示唆しています。あおいは多忙で食費以外にお金を使うこともほぼ無いでしょうし、お金に困ることはないでしょう。そういえば学生の子はともかく、新人声優の子は声優業以外にバイトしないととても食っていけないというのも描かれてましたね。
 兎にも角にも、学生時代には一緒にアニメを作っていた仲間の中でも格差が生まれていることを、この半額弁当の件が示しているような気がしました。

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