話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選〜りきおの雑記・ブログ選
年の瀬です。Twitterで「話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選」の記事の更新が流れてくると年末だなあ……と感じて少し焦るようになってしまいます。それと同時に、その年のアニメを振り返るいい機会にもなっているので毎年やりたいんですけど……何かここ2年くらいはやってなかったようです。冬コミ原稿に追われていたのと、精神的に追い詰められていたような感じでロクな年末を過ごしていなかったみたいですね。。今年は冬コミのサークル参加を見送ったこともあり、精神的なゆとりが出来たので、3年ぶりの話数単位をやってみたいと思います。
■冬
- SHIROBAKO #19「釣れますか?」
脚本:浦畑 達彦 コンテ:篠原俊哉 演出:平牧大輔
SHIROBAKOの面白さについてはもう言及するまでもないのですが。
アンデスチャッキーの特別EDが流れた回です。それに、絵麻の酸っぱい顔を作画するために自分自身が酸っぱい顔をして鏡に写し、それを自らが作画をするという非常にメタなことをやったり、矢野パイセンがヒゲこと池谷ひろしを釣り堀から連行してきたり……と、これだけでも盛り沢山な回でしたが、ムサニの社長である丸川の過去回想から、武蔵野動画時代のアニメ制作風景を描いたりととにかく濃い話数でした。過去と現在とをつなぐという意味でも非常に良い回だったと思ってます。
このアンデスチャッキーのタイトルロゴもわざわざ当時の感じで作ったんでしょうなあ……。
※参考
「SHIROBAKO作中の多重なメタ構造が面白い場面を紹介する」(ブログでの過去記事)
脚本:高橋龍也 絵コンテ・演出:岡本 学
デレマスアニメは、どっちかというと1期のほうがキャラを絞ってフォーカスを当てていたような感じがして好きだったかなあ、と思ってます。2期はちょっとアレでしたね。
というわけでデレマス1期の神崎蘭子回でした。もともと割と気になっていたキャラでしたが、1話まるごと蘭子の話で、めっちゃ良かったです。つーからんらん可愛すぎだろ……。
■春
- シドニアの騎士 第九惑星戦役 第12話「決戦」
シドニアの騎士は1期から引き続いて2期も観ましたが、若干危機的状況から脱して日常を描いたことで緊張感は薄れたものの、終盤はさすがの展開だったと思います。それの最終回を選びましたが、さすがの紅天蛾&エナ星白でしたね。3DCGの女性キャラというか女体もここまで来たか……という妖艶さが、洲崎綾さんの演技と相まって非常に興奮させられました。
まあそれだけではなく、この戦いを終わらせたのが、谷風ではなく他の要員たちの一斉射撃という展開も、チートな主人公が全部解決してしまうんじゃないんだ……って思わせてくれて良かったところでしたね。
- 響け!ユーフォニアム 第十二回「わたしのユーフォニアム」
脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:三好一郎
序盤は吹奏楽部あるあるネタが多くて辟易気味だったのですが、中盤の久美子と麗奈が山登りする回あたりから一気に面白くなってきました。ユーフォで一番人気の回はそこだとは思うのですが、個人的には最終回一個手前の12話を推したいと思います。
主人公である黄前久美子がとあるパートを上手く演奏できず苦しむ回なんですが、ここが良かった。ここまでの彼女は、努力せずともそれなりな演奏が出来るセンスがあって、それゆえに若干醒めたところがあって(作中で他のキャラにも言われてましたが)、情熱的で向上心旺盛な高坂麗奈とはどこか温度差があったのですが、上手く演奏ができない→上手くなりたい、っていうところで、ようやっと麗奈とほんとうの意味でわかりあえたのではないかということを、この話数を通じて描いていたように感じました。
麗奈が鼻血を出すようなみっともない姿を晒していたのかはわかりませんが……。
ただ久美子は、こういうみっともない姿を描くことで、それまでの彼女とは違ってきてることを見せてくれたのが良かったと思います。そして、ほぼ恋人である麗奈と同じような高みに立って同じ次元の悩みを共有したい、的なところも描いていたように感じました。結局、パートから外されて落ち込むものの、滝先生から後からフォローしてもらって前に進めるようになったっていうシナリオそのものも、ご都合感もなく、かつ観ている方としても何処かすっきりとさせられた良い脚本だったのではないかとも思いました。
※参考
「『響け!ユーフォニアム』の主人公 黄前久美子はこんなにも面白い主人公だ」(ブログでの過去記事)
■夏
- のんのんびより りぴーと 10話「すごく練習した」
脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:澤井幸次
のんのんびよりは2期も非常に良いエピソードが多くて良かったですね。全体的に観ると、1期でおそらくは好評だったれんちょんの出番が多めだったような気がします。
そんなのんのん2期からは、れんちょんがコマ無し自転車(関西では自転車につける補助輪のことを「コマ」と呼びます。これなら子どもでも言いやすい)の練習をする回を挙げたいと思います。
何というか、れんちょんがまた1つ大人への階段を登っていくような描写がすごくいいんですよね……。それを見守りつつも、どこかさみしげな駄菓子屋との対比が、個人的にはグッと来るものがありました。
れんちょんには異常に思い入れを持っている駄菓子屋なので、成長していく手助けが出来るのは嬉しいのでしょうけど、自分が助けてやらなくても独り立ちしていくのは複雑なのかもしれません。
れんちょんの身長が足りなくて届かないお菓子を取ってやる駄菓子屋。まだまだれんちょんに出来ないことは一杯あるんだってことを感じた瞬間だったようにも見えました。
れんちょんがあの分校を卒業したら、駄菓子屋はどうなってしまうのかも気になってしまいました。
- 監獄学園<プリズンスクール> 第拾話「素晴らしき尻哉、人生!」
脚本:横手美智子 絵コンテ:二瓶勇一 演出:高島大輔
もはや完全なヒットメーカーとなってしまった水島努監督の、2015年唯一の新作テレビアニメがこの『監獄学園』でした。個人的には、今まであまり取り組んでこなかったおっぱいやらおしりなどの女体のエロについて、かなりギリギリまで攻め込んできていたような印象を受けました。
そんな監獄学園のアニメでしたが、この話数では副会長がガクトが食べたいとリクエストしたバッタ丼のために、必死こいてバッタを捕るさまが、彼女の生真面目さを表していたのが印象的でした。
また、理事長の「おっぱい好きなのかおしり好きなのか?」についての、もはや哲学的な問いに対してのキヨシの迷いと出した答えとかも面白かったですよね。
何か猿的なもののケツを出されて納得してしまいました……。
- 下ネタという概念が存在しない退屈な世界 #1「公序良俗は誰が為に」
脚本:横谷昌宏 絵コンテ・演出:鈴木洋平
前述の監獄学園と同じクールかつ同じ制作会社から出てきたのがこの下セカでしたが、ひどい内容以上にこの1話の完成度は素晴らしかったですね。
下ネタにつながるようなワードを口にするだけでも取り締まられるという、ある意味ではサイコパスのようなディストピア的な世界観でありながら、そこに真っ向なら反抗しようと言う「雪原の青」の下ネタテロで立ち向かっていく様が、この1話だけでもすごくわかりやすく描かれていたように感じました。
また、現在のアニメでの表現規制的なところへも大胆に踏み込んでいたようにも感じましたし、声優さんの演技とともに非常に攻めてるなと感じた1話だったようにも思いました。
作品の世界観とか、この作品の何処を観れば良いのかとか、そういうのが全部詰まっていて、それを描き切っているという意味では『これはゾンビですか?』の1話相当の濃密さと、1話での完成度の高さを感じました。
■秋
- ワンパンマン #01「最強の男」
割と評判のいいワンパンマンですが、個人的には過去のアクションが映えるアニメのオマージュ以外にさほど見どころがなくって、早々に醒めてしまいました。
ただこの1話は見応えがあって、どうワンパンマンが出来上がっていったのかが、1話の尺の中で濃密に描かれていたと思います。ワンパンマンのワンパンチの強烈さも、こういうカットですごく良く表現されていましたよね。
アニメーションとしては非常に見応えがあったと思いました。
- ご注文はうさぎですか?? 第6羽「木組みの街攻略完了(みっしょんこんぷりーと)」
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ・演出:博史池畠
あまり1期には思い入れが出来なかったごちうさでしたが、キネマシトラスが制作にガッツリ加わってくれたからか、個人的にはすごく良さを感じました。
中でも強調したい回はこのモカ姉回でしょう。ただただ、素晴らしかったですね。
じょしらくの最終回でもあった新キャラ投入でのキャラ崩壊回でもあったのですが、でも逆に、モカ姉の投入でココアとか既存のキャラの強さがより強化されたような回にも見えましたね。
- Go!プリンセスプリキュア 第43話「一番星のきらら!夢きらめくステージへ」
今年のプリキュアですが、基本的には良かったですね。中でも、割と定番化してる黄色いプリキュアに対しての力の入れようは、キュアトゥインクルの変身バンクを担当した作画監督の爲我井克美さんが担当したから……なのかどうかはわかりませんが、とにかく作画が凄かったですね。
そんなきらら回でしたが……。
すんごい作画でした。作画が良かっただけじゃなく、きららがモデルとプリキュアの両立に悩むような回でもありましたけど、そこも非常に良く描けていましたよね。もともと変身バンクがモデルポーズっぽかったのもありますけども。
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久々の話数単位の記事でしたが、楽しんでいただけていれば幸いです。
(関連)
新米小僧の見習日記
※話数単位のページをまとめていらっしゃってます。
・2015年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
このルールを決めたのは新米小僧さんですね。
「話数単位で選ぶ、2012年テレビアニメ十選」
(ブログの過去記事)