Key作品の同人人気の推移とその理由を考えてみる

 一応、Kanonくらいから同人活動をちょこちょことやっていたりするりきおです。
 コミケにサークル参加するようになったのはここ3年くらいでなので、動向を詳しくは遡れないのですが、僕が触れてきた範囲で見ていきます。

  • ONE

 鍵には入れない人もいる前ブランド時代の作品です。が、キャラが立っていたり、ちょうどリーフのToHeartなんかの人気との相乗効果もあったのか、Kanon発売以降にもそのジャンルを維持していったジャンルでもありました。藤枝雅さんもONEで長く本を出していたりしましたからね。ONE中心のオンリーイベント「Bright Season」も最近までありましたしね。流石に徐々にサークル数は減少し、コミケではほぼ消滅状態になってしまいました。

 鍵というジャンルが同人のジャンルとして認知された作品です。ONE同様にキャラが立っていたり、葉鍵系としてリーフ作品なんかと合わせた、エロも非エロもある男性向けジャンルとして確立していきました。
 とにかくオンリーイベントはブーム的に多かったです。主要キャラのオンリーイベントはすべてやってましたし(そのほとんどが複数回開催していた)、広島なんかでもKey系オンリーイベントを開催していましたから、ほんとブーム的なものもありました。関西でも結構な回数のオンリーイベントがありましたから。
 AIR発売あたりでも、AIRでKeyに入った人たちがKanonに流れるような現象もありましたから、AIR発売後も人気の落ち方は緩やかだったと記憶しています。ただCLANNAD発売までの空白期に、徐々にサークルの離脱を招いて衰退していきましたが。
 京アニ版のKanonが放送されて一般の人にも再度触れることになって、同人ジャンルとしてのKanonが息を吹き返すのかと思ったんですが、かの8(2年前の1月に開催されたKanonオンリーイベント)での一般参加者の少なかったこと少なかったこと。アニメを見て同人誌も!って人が少なかったのか、あるいは昔からの鍵っ子が見ただけだったのか…。ともかく、今では衰退著しく、今度の「かの10」もサークル参加者は集まるものの、一般参加者がどのくらい来てくれるのかはかなり心配です。

 鍵史上、最も売れた作品です。加えて、Keyというブランドを特別な存在へと高めた作品といってもいいでしょう。ですが、ここで不思議なことがあります。それは…、AIRオンリーイベントで長続きしたものがない、と言うことです。普通オンリーイベントは複数回やるものではありませんが、Kanonオンリーイベントは複数回続いたものが多かったわけですし、逆にAIRKanonよりもよく売れてブーム状態になっていたので、その落差を強く感じました。
 AIRの同人サークル数は…それなりに多かったと記憶しています。が、依然としてKanon本を出すサークルさんだったり、AIRではあまり内容の無いイラスト本を出したりと、二次創作における勢いが感じられませんでした。
 そしてもう一つあったのが、SS(小説)リンクサイトの消滅です。ONEは…さすがに消えてしまったようですが、Kanonは現役で存在します。そしてCLANNADリトルバスターズも当然存在します。が、AIRだけはCLANNADが発売するまでにSSリンクサイトが更新を停止してましたから。Kanonは投稿数やする人も多いのですが、リンクサイトを管理する管理人さんも代替わりして続いているようです。が、AIRではその辺が上手く行かなかったのか、あるいは絶対数が少なかったのか…。
 いずれにしても、同人人気が長続きしなかったのがAIRでした。キャラ立ちよりもストーリーの重さと世界観の縛りの強さが際立っていて、二次創作に向かない作品だったのが影響しているでしょうね。

 4年もの沈黙を経てリリースされた作品です。全年齢向けで出されたり、4年も間隔が空いた割にはよく売れたほうです。
 同人人気ですが、AIRが同人受けしなかったこともあってKeyジャンルが大幅に縮小され、間にあったKey系オンリーイベントではほとんどが顔見知りのサークルだった、なんて話もよくあったくらい、Kanon以前からのサークルさんは減少してしまっていましたが、徐々に回復し、発売後から1年くらいはそれなりのサークル数になっていたと思います。
 ただ同人誌人気よりも目だったのは、SSサイトへの人気ですね。僕もそうですが、訪れてくれる人の数は結構なもので、かつ長期に渡ってその数を維持し続けてくれています。アニメが始まると、減った分が戻ってまた増えてと言うのを繰り返しています。流石にアニメが終われば減るでしょうが…。
 京アニの長期に渡るアニメ効果もあります。普段は鍵になんて来ないような作家さんがCLANNADジャンルで本を出していたりと、ここ1年くらいは新鮮に見させてもらってます。まあ、アニメ効果で風子なんかは人気が格段に上がったわけですが、大勢には影響が無かったりするんですけどね。
 同人にしやすさは…微妙ですね。あまりに考察してしまうと、AIRみたいに隙が無いような感じに取れてしまいますし、その辺の縛りをあまり感じなければ、ヒロイン同士の横のつながりはあるので描きやすいかもしれません。

 planetarianとか智代アフターを挟んでのリリースでした。その間の作品が全く同人で取り上げられなかったので、鍵人気低下か?とか思ったんですが、どうやらそれは杞憂に終わったようで。かなりの活況ぶりです。
 オンリーイベントもそれなりに開催されてますし、SS人気もなかなかのもので。ただSSに関しては、CLANNADほど根強いファンがついている感じはしませんね。アクセス数の落ち込み方が結構凄いんですよ。CLANNADだと、2年くらい経ってもほとんど落ち込まないどころか、連載ものと別のシリーズを掲載してもアクセス数は同じくらいあったりしたんですが、リトバスは発売半年くらいから落ち始めてましたし。
 同人人気の高さと、キャラの立ち方を見ているとKanonみたいな感じですね。Kanonよりは自由度が低い感じではありますが、その分キャラ同士の横のつながりの深さで同人の素材として優秀みたいですね。

 ただ、鍵同人人気を支えている要素として、男性キャラ人気はどうしてもあるでしょうね。Kanonの北川、CLANNADの春原、リトバスの恭介や理樹…。やはり同人をやってる多数は女性なわけで、そんな女性ウケする作品は同人でも息が長い気がします。その辺がオーガストの同人人気の低さにも繋がっている気はしますね(女性ウケしない)。