けいおん!エロ同人誌のパターンと、パターン別での原作との距離を考えてみた

 この夏コミでピークを迎えた感のある「けいおん!」のエロ同人誌ですが、好みの絵で好きなキャラが出ていたりしたらだいたい買ってしまったりしてますか? きれいな、あるいはエロい絵で描かれているエロ同人誌でも、その内容は様々ではないかと思います。
 けいおんの特徴は、とにかく女の子しかいないことじゃないかと思います。一般のアニメでここまで男性キャラを排除した作品は本当に珍しいのではないかと思うくらいに徹底されています。なので、ノーマルカップリングというか、恋人設定というのが非常に使いにくいのが特徴ではないかと考えています。
 そんなけいおんのエロ同人誌を、まずは様々なタイプに分けて、内容別に見てみたいと思います。具体的なサークルさん、作家さんは書かないので、とらのあなメロンブックスで立ち読みするときに参考にしてください。ちなみに、18禁的な内容なのでご注意ください。

  • 陵辱モノ・調教モノ

 単純に、犯される、あるいは調教されるものですね。普通のアニメとかだと、割とそういう怪しい男性キャラがいたりもするんですが、けいおんに関してはそういう存在がほぼ見当たりません。なので大半が、作者が生み出したオリジナルの男に犯される内容になっています。
 強いて言えば、楽器屋の店員が犯す対象になっていたような本を見たことがありますw あとは琴吹家の執事とか、校長先生とか、あるいはロックフェスの観客か……(見たことないのですが)。

  • 援交モノ

 これは比較的多く見られますね。一期の頃であれば、唯のギターを買うためのバイト、とかで多数の同人誌が出てましたね。陵辱モノと比較すると、やや原作の隙を突いたような本が多いような気がしますが気のせいかもしれません。この場合でもほとんどがオリキャラの男性キャラが対象になります。まあこれは、けいおんに限った話ではありませんけどね。

  • 恋人モノ(ノーマル・純愛)

 これは陵辱展開が苦手な(ある意味ではノーマルな)サークルさんで幅広く見られるパターンです。澪とあずにゃんが圧倒的に多いように思いますが。
 当然ながら、相手は完全にオリキャラになりますね。しかも桜高が女子高ということもあり、どこで知り合ったんだ……とツッコミを入れたくなるようなケースも見受けられるように思います。その場合は、ギャルゲーなどと同じように「自分」あるいは「読み手」を当てはめているんでしょうね。

  • 百合モノ

 一番自然なパターンかもしれません。軽音部メンバー同士の絡みがほとんどでしょうし、平沢姉妹だったり和だったり、容易にカップリング自体も思いつきます。彼女たちがガチ百合思考なのかどうかは非常に微妙ですが、あれだけ仲がいいわけですし、そこから発展して……という感じで描きやすいかと思います。
 個人的に思うのは、百合な18禁本の需要がどのくらいあるのか? という点ですね。他の百合アニメや漫画でのレズ展開はそこそこ見かけますから需要自体はあるんでしょうが、それがけいおんでどうなのかですかね。

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 まあだいたいこのくらいのパターンが存在すると思うのですが、この中で好きなシチュ、あまり受け入れられないシチュというのは当然あると思います。が、ここではそういう嗜好的な話ではなく、原作の二次創作としてどれが許容できてどこからが既に二次創作とは呼べない領域なのかを考えてみたいと思います。
 というのも、けいおんという作品には男性キャラがほとんど出てこないために、男女の絡みを描くとなると外部から連れてこなくてはならなくなりますし、その場合それはほぼオリキャラということにもなります。
 そしてけいおんキャラたちの描写に入ります。彼女たちはノーマルな性癖の持ち主なのか、あるいは女子同士でわいわいやってるのが至高の楽しい瞬間だと感じているのか? ここをどう考えるかによって、けいおんのエロ同人誌に対するスタンスが大きく異なってくるんじゃないかと思っています。
 例えば澪。彼女の描く歌詞は「恋」とかが頻繁に出てきたりして、ノーマルな恋愛観を持ってるのではないか?とか考えたり出来るわけですが、一期の最後の方では、その歌詞を律の家のポストに投函したりするなど、相手が男性を想定しているのか、あるいは律なのか、どちらとも取れるわけです。そして、作品を通して特に男性が好きな描写も、彼氏が欲しいなどという話も無いわけで……。
 他のキャラは更に「男性」「異性」というものを感じさせませんよね。主人公の唯に至っては、いつでも他メンバーの誰かとくっついているイメージが強いですし、紬もスキンシップに飢えてたり、早くから女子大に進学することを目標にしていたり(動機はやや不純)しますしね。憂は姉の事しか考えていませんし、さわ子先生にしても女子部員たちに囲まれて幸せそうですし、彼女らに自作の衣装を着てもらうことが生きがいにすらなってますからね。
 そうなると、軽音部メンバーやその他女子キャラを含めても、ノーマルな男女でのエロというのが、作品性質上もキャラ設定やシナリオ上からも、非常に無理があるのではないか? という結論に至ります。そもそも男性キャラと恋愛をする過程自体を含める隙が無いのではないかと。つまりは、ノーマル……純愛エロというものが最もけいおん二次創作としては原作から逸脱しているように感じてしまうのです。
 なら、陵辱モノは逸脱していないかというと、そうでもありません。その作家さんが得意な展開に無理やりハメこんだりというパターンが多いですしね。ただ、キャラの意に沿わなくていいという意味では、純愛路線よりは無理なく入れられるのかな? とも思います。これは援交モノでも言えることかもしれませんが。援交モノだと今度は、ギター代、部費のためのバイトということにすれば、原作に沿った内容にならないとも限りません。
 この観点から行くと、むしろ純愛路線のほうがけいおんでは、原作無視なのかな? という気がしています。これがギャルゲー原作だったり、男主人公がいたりする作品だったりすると、純愛のほうが陵辱モノよりもエロ同人誌的な展開なら普通なんですけどね。百合アニメというか男性キャラがほとんど登場しない作品となると、ノーマルがノーマルでなくなるような感じになっているのではないかと思うわけです。百合展開なら自然になるんですけどね……。
 よって、けいおん同人誌では純愛路線こそが一番「あり得ない」(個人的に)と思うのですが、同人誌読者の方々はどう考えられているのでしょうか……?

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