イカ娘は、イカちゃんの人類に対してツンデレ行為が視聴者の心を捕らえている?

 イカ娘の人気が割と定着してきた感があります。単純ながらツッコミどころの多いアニメなので、ニコニコやTwitterのTLでのコメントを見ながら楽しむ分にも向いているように思います。イカ娘のキャラソンも予定されているなど、そろそろグッズ展開も始まりそうです。

 そんなイカ娘ですが、見ている人はほぼイカちゃん目当てで見ていることかと思います。もちろん、イカちゃんが嫌いだったり、イカちゃんに興味が無かったりすると全く見る価値のない作品ではありますが、前回のイカちゃん記事でも書いたとおり、作品内のほとんどの要素を、イカちゃんを可愛く見せるために使っていることもありますし、イカちゃん自身の描写にもかなりこだわってる感がありますので、イカちゃんが可愛いと思わない人はあまりいないんじゃないかと思います。
 そんなイカちゃんですが、見てくれや言動、動きなど全て可愛いのですが、中でもアホで抜けた、そして侵略と言ってる割には弱気になったりする性格面が一番可愛く感じるかと思います。そして……海の家れもんのみんなやそこに関わったりするキャラたちに対して、歯向かったり歩み寄ったり、簡単に罠に引っかかったりしていますが、これってツンデレとも言えないでしょうか?
 イカちゃんの言動を思い出してみましょう。「人類を侵略してやるでゲソ!」です。イカちゃんが向いている方向は、とりあえずは海の家れもんのみんななんでしょうが、実は人類全体なんですよね。その人類といえば……僕らのことなんじゃないでしょうか? つまりイカちゃんは、僕ら視聴者全員に対して「侵略」しようとしているわけです。まあその「侵略」が、人間を敵視したり逆に懐柔されたりしているあたりが、人類全員に対してのツンとデレにも思えてしまうのです。デレとは少し違うかもしれませんが、僕ら視聴者にも向かってのツンデレですから、余計に心の中に入ってくるのではないでしょうか?
 これは、他のアニメではあまりないと思うのです。なぜなら、例えば主人公がいてヒロインがいてという作品であれば、ヒロインがツンデレだとしてもその対象はあくまで主人公であり僕らではありません。もちろんギャルゲー的な作品だと、主人公=自分ということで自分相手にツンデレしてるようには感じるかもしれませんが、アニメになってしまうと、主人公の顔も声も出るわけで、そうなると主人公=自分という認識をしにくくなってしまうとも思うわけです。
 それがイカ娘であれば、主人公とヒロイン?をイカちゃんが兼ねているわけですし、視点で言えば栄子(妹のほう)かもしれませんが、視聴者はあくまで傍観者として作品内に入るしかありません。しかしながら、イカちゃんが人類全員を相手に、侵略行為を行ったり歩み寄ったり騙されたり楽しんだりしていると考えると、他の作品では決して味わえない近い距離感と親近感を味わっているような気がします。これこそが、イカ娘が不思議な感覚をもって受け入れられている、中毒性は無いはずなのについハマってしまうことに繋がっているのかもしれません。
 そんな、アホかわいいイカちゃんを笑いながらも一緒に見守っている感覚が、イカ娘好きの視聴者の連帯感にもつながっていくかもしれません。この先も、侵略されていく人が増えていくことを願いたいと思います。

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Web拍手より】
Q面白い?A可愛い、とか色々ネタにはされていますが、純粋な意味で「萌え」を体現している作品だと思いますねえ。
同性を含む恋愛や変な依存、無理な感動泣き路線もない分、ファンの対立が起きにくく、固くならずに見れるってのは大きいと思います。
変な主義主張を語るでもなく、重いテーマを背負うでもなく。
つまらない、って文句に、キャラが合わなかったんだね〜とゆる〜く流せる作品というのは結構貴重ですよね。

言葉にしにくい部分を言ってくださってありがとうございます。対立する部分を極力排除したって意味では、「けいおん!!」路線だしそれを超える絞り方をしているのだと思います。ヒロイン別の対立みたいなものさえ産まないですからね。それでいて人気が出たのですから。。

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