リトルバスターズ!プレイ日記〜能美クドリャフカシナリオクリア!!

 プレイ開始から計算すると…、15時間前後掛かっている計算になります。…長っ!! 寄り道はしてましたけど、選択肢を戻ったりはほとんどしていないので、セリフを全部声で聴いていると、正味このくらいの時間は掛かるように思います。
 で、クドシナリオをクリアしてみての感想ですが…、

 何なんだよっ、この鬱展開は?!
 
 …。
 
 まあそれは置いといて…。
 
 何て言うか、「凄く下手なシナリオだな」と言うのが第一印象ですかね…。
 何が下手かと言うと、まあプレイされた方なら気付くとは思いますが「伏線の張り方が弱すぎる(あるいは悪い。またはほとんど伏線を張っていない?!)」ことです。要は、ああいう後半〜ラストへの展開を示唆するだけの、前フリが無さ過ぎませんか?ってことで。そもそも、「クドリャフカ」と言う名前にピン、と来た人ならわかったのかもしれませんけどね。僕は知りませんでした。まあ、途中で「打ち上げ失敗だな」とはわかりましたけれども。
ウィキ「クドリャフカまたはライカという犬」参照。
 もしかしたら、このウィキを見た人ならシナリオの展開も読めたかもしれません。ヴェルカとストレルカのことも書いてありますからね。が、そんな前提条件はどうでも良いです。僕らは「前知識が必要なシナリオ=良いシナリオ」なんて思いませんから。
 比較対象にしてしまったのが、CLANNAD一ノ瀬ことみシナリオです。あれも、ヒロインの両親が悲劇的な結末を迎えて、それを主人公とともに乗り越えてハッピーエンド、と言うシナリオでしたが、まあ全然違いますよね。あっちは、「はさみ」だったり「半分こ」だったり、自分や主人公の呼び方・口調だったり、バイオリンのくだりだったり…。序盤で出てくるあらゆる小さな謎が、すべて後半で解き明かされていましたからね。それとは全く違う。目指していたものはことみシナリオに近かったように思うのですが…。
 致命的なのが、クドが自らの謎を、後半の差し迫ったときに話し始めたことでしょうか? 宇宙とのつながりとか、祖父と母の思いの相違とか、そういう事を、もう少し序盤から小出しにしていれば、印象も違ったように思いますけどねえ。例えば出身の「テヴア」(今思えば、パプアニューギニアのパプアをもじったもの、あるいはその周辺の島?)が、実は宇宙産業が突出しているが、政情不安も抱えているとかね。学食のニュースでやっていたのかもしれませんが、個人的には印象に残っていませんし。
 何にせよ、クドの可愛さを100%発揮出来ているとはとても思えない、のが、どうしても残念です。どうも、
「犬っ子」⇒「クドリャフカ」⇒「ストレルカ・ヴェルカ」⇒「宇宙」!
 と言う設定が最初にあって、それを元にシナリオを起こしたらこうなった、って気がしてならんのですよ。それよりも、クドのキャラデザや設定の「極限に小さいこと」を生かした話にしてもらいたかったなあ、と言うのが素直な感想です。と言うか要望です。欲求です。願望です。SSかよ…。鬱展開無しのらぶらぶSSを書くしかないのか?!…って、今の時点では全然思いつかないし湧いてこないんですけどっ?!!!
 …自分が、クドのキャラデザとプロフィールだけを貰って「シナリオ書けっ」って言われたら…もっと良い話が書けるだろうなあ、と思ってみたり。あ、宇宙ネタは無しでね。まあ絡めてももっと面白いものは書けそうだけど。
 それ以上に、Keyから「上手い話を書くライターがいなくなった」ことが大損失です。以前なら「1シナリオだけならもの凄いシナリオを描ける」涼元悠一氏や、「キャラ設定を生かすシナリオならばっちり」の魁氏、古くは「キャラ萌えを大成した」久弥直樹氏などがいたわけですが、誰もいませんしね。それに、「ギャルゲーシナリオを別次元へと昇華させてしまった」麻枝准氏がいなくなるわけで、神シナリオライターが誰もいなくなるわけです…。どうなるんだろう?と言う以前に、やばいです。リトバスで、麻枝さんが描いた鈴以外で、何か光るシナリオがあれば良いんですけどねえ。キャラは良いだけに気がかりです。


 クドというキャラですが…「(色んなところが)小さい」「ですます口調だ」「表情が豊かだ」「八重歯だ」「ツリ目だ」「服のバリエーションが豊富だ」など、数々の僕の萌えポイントを刺激してくれます。何よりCGが良すぎですね。それを生かしきれていない気がするのが何とも…。普通、CGが良ければ、シナリオがもう1つでもプラスアルファの効果が期待できますからねえ(「さくらむすび」とか「けよりな」とか)。それが無かったのは何とも…。勿体無さ杉。
 
 しかしながら、Na-Ga絵は良いですね! 鈴も可愛いのですが、クドの絵は、特典絵やプロモでの絵以上に、CG映えしていましたよ! CGでこそ生きる絵なのかもしれません。いたるん絵には無い安定感がありますし(汗。鍵っ子ではあまり感じることが出来なかった「CG(絵)で萌える」ことが出来ましたしw 「あまり個性が無い絵かな?」と思っていただけに、Na-Ga絵の個人的ヒットは、数少ない収穫と言えるでしょうw
 
 個人的に、「自分(主人公)から離れたヒロインが、第三者による苦痛を受けるor傷つけられる」シナリオには耐えられないのです。主人公が苦痛を受けるのは一向に構いませんし、ヒロインが苦痛を受けても、近くにいられるのであれば耐えられます。が、こういう展開は全然駄目です。CLANNADではそんな展開がありませんでしたからね。逆にAIRの最後のシナリオでは、主人公は第三者でシナリオに影響できませんでしたので入り込めませんでしたし。このクドシナリオは、クドが完全に別の場所で苦痛を受けていたわけですから、当然耐えられるものではありません。
 
 最後は通じ合ってましたが、あれもかなり説明不足。理樹が持っていた宇宙船の部品とクドが見ていた「予知夢」との関連と、何故クドが予知夢を見ていたかということ、それと主人公が通じ合えたこと、などの説明や示唆が全くありませんでした。それでいて、最後はハッピーエンドになるんだろうなあ、とは確信していましたしね。
 それなら、クドに「行くな!」と言った後のバッドエンドの後がどうなるのか? そっちのほうが自然な流れで気になるところなんですけどねえ。あのままだと、理樹はずっと起きない可能性もありますが…。
 また、お母さんやおじいさんの消息もグッドエンドではわからないままでしたしね。無事では無いでしょうけど…。


 このクドシナリオ。「Keyのシナリオである」と言うことで、「後半の急展開」と「鬱展開」は必須だとでも勘違いしたかのようなシナリオだったかと思います。CLANNADの風子シナリオあたりを思い出してもらいたいくらいです。そんなのあったか?と。
 

 …ううむ。この先のシナリオに大いに不安が立ち込めて来ました…。

  • P.S.永空さん

 言いたかったことはよくわかりました。が、クドの「かわいいってときと嫌悪を感じるってときと…」
の説明は未だにわかりません(汗。後ろ向きな発言が多いのは気になるんですけどね。あのコメントで相当動揺したので、クリア前のキャラへの感想はご遠慮くださると嬉しいです…。
 OPのCGも、まあシナリオの大きな流れには関係ありませんでしたね。ちゃんと計算してるのかなあ?と思いつつ…。