ワニマガジンは、もっとエロ単行本のリリースを早める努力をせよ

 全部が全部じゃないと思うんですが、物申したいのが、ワニマガジン成年コミック単行本です。ワニマガジンはご存知、エロ漫画雑誌でダントツの発行部数を誇る「快楽天」を擁していて、豊富な作家陣と高い人気を誇っているわけですが、こと単行本になるとちと気になることがあります。それは、一部に「単行本化がやたらと遅いものがある」ことです。
 コアマガジン茜新社などエロ専業に近いところが手がける場合、単行本発売の前月くらいまでの作品が、単行本に掲載されていることがあるなど「新鮮さ」がウリのことが多いです。まあ中には、人気はあるけど直近の作品数が足りなくて、過去の過去の作品を混ぜてくるところもあって、あれはちょっといただけないのですけども。
 しかし、ワニマガジンは今年、超目玉となる作家の単行本でやらかしてくれました。それは「鳴子ハナハル氏」の「少女マテリアル」です。
 超豪華な装丁で発売日も遅れ、「これはさぞかしカラーも多くて普通の単行本サイズじゃなくて…凄い本になるぞ?!」って期待していたのは僕だけじゃないでしょう。鳴子ハナハル氏の一番のウリは、カラーマンガのキレイさエロさでしたからw 
 …しかし蓋を開けると、他のエロ単行本より少し高いだけの、ちょっと表紙が豪華っぽい以外は拍子抜けしてしまうほど、普通でかつ古めの作品ばかりが並んだシロモノでした。氏がモノクロ原稿を描いていたのは2年以上前だったと思うので、書き下ろし作品以外はほとんどが数年前の作品と言う、かなりガッカリな内容になってしまってました。もちろん、モノクロでかつ数年前の作品でも、その辺の漫画家よりはハイクオリティで面白いマンガを描ける人なので、氏を古くから知らない人にとっては良い内容ですし、ほぼモノクロだけで単行本が出来るほどマンガを描いていたことにも驚きだったんですが、それにしても「…無いわ」と思ってしまう単行本になってしまいました。
 ワニマガジンとしたら、カラー中心の単行本はコストもかかるし、サイズやページ数、値段などの設定を間違えれば大変なことになる、と言う考えもあったでしょうし、今の鳴子ハナハル氏の人気ならば、例えどんな単行本でもバカ売れ…なら、カラーマンガは自重しても…という考えが働いたのかもしれません。
 それでも、買うほうとしたら、最近の作品が入っていると思うじゃないですか。完全な裏切り行為に等しいです。それなら、もっと早い時期にモノクロ中心の単行本を出すようにすれば良かったと思うんです。
 ワニマガジンに対してはこれだけじゃありません。
 先月、最近結構ハマっている「いーむす・アキ氏」の単行本「若奥様解放区」が発売されました。買おうかと思っていたんですが、とりあずサンプルが読める書店で立ち読みしたところ…これも最近の作品が全く収録されていませんでした。しかもこの単行本も、当初の発売予定から3,4ヶ月くらい延期してのものでしたので、ちょっと「これは…」と思ってしまったわけです。氏は、最近の痴女系な作品が人気を呼んだと思うのですが、この単行本には、せいぜい1年前くらいまでの作品しか収録されていないようでした。当然絵柄も、こなれてきた最近のものよりは1段レベルが落ちるものになってしまってます。
 問題は、散々発売が遅れてこの内容、ってことと、収録作品自体が新鮮さを失ってしまってからの単行本化、ということと、掲載作家への配慮の無さ(?)です。
 特に3つ目の「作家への配慮の無さ」が気になります。と言うのも、いーむす・アキ氏の場合、単行本化作業が遅れるような遅筆な作家さんでは無いのです。単行本発売が決まってから延期延期の発表の間も、快楽天にはほぼ毎号作品を掲載していましたから。
 もう一つ思うのが、局部修正の問題です。コンビニ売りじゃないエロ漫画雑誌の場合、修正はほぼ単行本サイズと同等のため、局部のために単行本化作業が取られることはほとんど無いと思うんですけど、快楽天などのコンビニ売りエロ漫画雑誌の場合、雑誌掲載時には大きな局部修正が入るため、元々局部描写はしていない作家さんも多いようです。そのため、単行本化作業の際に、局部補正作業が入るために単行本化が遅れる…という事情もあるようです。が、それならば単行本化のために、雑誌掲載を隔月にするとか3ヶ月くらい空けるとか、そういう配慮が必要だと思うんですが。
 
 今のままでは、ワニマガジンから出る単行本に不買運動でもしたくなる気分です。有力な作家さんが快楽天に掲載されるようになれば嘆きたい気分です。まだまだ快楽天で好きな作家さんはいるので、単行本が発売されるのは相当遅くなることも覚悟してなきゃいけないんでしょうかね…。もう少し旬の作品を、手早く出せるような環境作りをしてもらいたいものです。