けいおん!!歌曲に感じる違和感と疑問

 けいおん!!も残り僅かとなり、焦りというか寂しさみたいなものを感じる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
 今回は、けいおん!!(二期に限りませんが)の歌曲についてを考えてみたいと思います。
 非常にクオリティの高い曲が揃っているけいおん!!歌ですが、どこか違和感を感じている人はいらっしゃらないでしょうか? 個人的には、結局どういう曲調の曲を中心に考えられているのかがやや疑問に感じることがあります。
 ボーカルは平沢唯役の豊崎愛生さんと秋山澪役の日笠陽子さんがほぼ全曲やっているのと、それ以外はキャラソン(デスデビルはキャラソン……ではないけどw)でそれぞれの声優さんがボーカルをしていますが、基本的には前述のふたりが担当していると言っていいでしょう。
 しかしながら、この時点でも既に「キャラソンかそうでないか?」というくくりが出来てしまっています。更には、唯が歌うオープニングと澪が歌うエンディング、そして放課後ティータイム(HTT)として澪や唯が作詞し紬が作曲した劇中歌……と、大きく分けても3種類、あるいは4種類くらいの楽曲が存在しています。
 二期のOP・EDは全てクレジットが「HTT」となっていますが、やや「?」に感じてしまいます。というのも、彼女たちが劇中で作る楽曲は「ふわふわ時間」だったり「ごはんはおかず」だったりするわけです。なので、「Utauyo!!MIRACLE」とか「NO, Thank You!」とか、そういう曲は彼女たちが作れる曲ではないんですよね。曲自体はムギちゃんが本気を出せば作れるのかもしれませんし、演奏自体は出来るのかもしれませんが、メルヘンチックな詞しか書いていない澪にしても、最後の最後に自らが作詞した曲を作った唯にしても、ああいう詞が書けるとはとても考えられません。なので、HTTとして劇中で歌った曲と、二期OP・EDでHTT名義で作られた曲は全く異次元というか別のものに感じられるのに、それらに同じHTT名義を使っていることに違和感を感じないでしょうか? 劇中歌にしても主題歌にしても、同じそのキャラの心境を歌った歌だとしても、です。
 主題歌関連は、HTTとしての理想の曲調、という位置づけかもしれません。特にEDは、HTTが本気で音楽を追求していたら行き着いた、みたいな印象も受けたりします。ただそれだと、等身大の自分たちを描いた劇中歌とのコンセプトが異なってきますし、それらを同列のものとして並べることに違和感を感じずにはいられません。
 近い遠いで言うのであれば、歌詞的な意味で「主題歌とキャラソン」なのかもしれません。主題歌は、OPは唯の心境を、EDは澪の心境を描いたものになっていますし、キャラソンも概ねそのキャラの心境を歌ったものになっています。まあキャラソンはあまりロックしていないというか、軽音部が作る、演奏するような雰囲気の曲調にはなっていないのですが……。
 そして何が問題になってくるかと言えば、けいおんという作品のボーカル曲集というか、アルバムを出すための妨げになるのではないか?という部分です。これだけ曲調の、あとコンセプト的にも異なる曲が混在している中で、それらを一緒にしてしまってアルバムを出してしまうのはどうなんだろう?と思っています。
 最もいい形が、一期の時にリリースした「放課後ティータイム」としてのミニアルバムのような形でした。あれは、原作の中でも登場したセットリストをそのままボーカル曲として実現したものですが、ややチープで、かついかにも澪が作ったかのようなメルヘンチックな歌詞内容になっており、劇中歌として統一された構成になっていました。その流れが、二期の「ぴゅあぴゅあはーと」ですし「ごはんはおかず」に繋がっていってます。が、既にアニメでは、主にライブをやるシーンは終わっており、これ以上は曲が増えない可能性が高まっています。それに、彼女たちが作中で演奏するレパートリーがこれから大幅に増えるとか、実はあと5曲もストックを持っていました!なんてことになっても違和感がありますしね。7曲もレパートリーがあれば、校内ライブ以外で歌う機会の無いHTTとしては多すぎるくらいです。
 HTTとしてリリースされた、主題歌を含めてしまう、というのも手かもしれません。が、やはり曲調の壁が大きく立ちはだかりそうな気がしてしまいます。明らかに主題歌はクオリティからして別格な印象ですからね。

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 ここまで書いてみて何が問題かと考えてみると、けいおんの歌曲は全て声優さんが歌っていることにあるのかもしれません。明らかにテンポや滑舌的におかしいOP、クールで格好イイEDに、ひたすらポップな劇中歌と、どれもが声優さんたちが歌いこなせているからこそ感じる疑問なのかもしれません。
 逆に、中の人が歌っているからこそ、主題歌も劇中歌もキャラソンも等しくけいおんの歌じゃないか、という考えもあるのかもしれません。特に唯役の豊崎愛生さんは、地声ではなく唯のキャラボイスでほぼすべての曲を歌っており、唯が歌っているようにしか聴こえないほどです。なのでこの点に着いては「けいおん平沢唯が歌っている!」という観点からは統一感がありすぎる、とも言えるのですが……。
 この辺が個人的に引っかかっているところなのかもしれません。声優さんたちの歌唱力が高いからこそ、色んな曲調で楽曲が作れてしまったために、曲調の幅が広くなってしまったのかなあと。これからけいおん楽曲でのボーカルアルバムが作られるとしたら、どういう曲順で、どう構成されるのかが非常に気になっています。劇中歌と主題歌、キャラソンを同居させるのか、あるいは分けて収録するのか、という点に置いては特に思います。
 二次元から生まれたバンド「放課後ティータイム」が未来に語り継がれていくかどうかも、どの曲調のものが残っていくのかによるのかもしれません。クレジットまで彼女らの名前になっている劇中歌だけを「放課後ティータイム」名義にしたほうが良かったんじゃないか……? という思いはずっとしてはいるのですが。皆さんの、一般的なけいおん視聴者さんたちはどう考えているのでしょうか?


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