CD「放課後ティータイムII」の売上数が、ゲーム「放課後ライブ!!」に及ばなかった理由を考えてみた

 オリコンウィークリーのアルバムランキングで、けいおん!!の「放課後ティータイムII」が12万7000枚を売り上げ1位になりました。一期のミニアルバムの累計にも迫る数字ということで、けいおんは二期でより大きな人気を得たことが明らかになったかと思います。このHTTIIは過去の記事でも書きましたが、非常に出来が良くて、楽曲の構成や2枚組のCDの内容だけではなく、歌詞カードやジャケット裏の落書きだったり、初回版のカセットテープ特典だったりなど、CDは曲データだけじゃないものなんだ、ブックレットなどトータルで楽しめるものなんだ、ってことが実感できるのではないでしょうか?
 ただ気になるのは、その初動売り上げです。もちろん、今までのCDよりも初動の動きは大きかったわけですし、在庫切れを起こしてしまったこと、フルアルバムで値段が高いことはあるんですが、もっと売れていいんじゃないか?と思うわけです。けいおん!!人気って13万枚くらいのものか?と。
 何でそんなことを言うのかと言うと、けいおんのゲームである「けいおん!放課後ライブ!!」は初動で約17万本売れているんですよね。収録されているのは一期の曲で二期の曲は入っていないですし、単価としても明らかにこちらのほうが高いですし、何よりCDのほうは少なくともアニメ「けいおん!!」の中から派生した一次創作物なわけですが、ゲームはそこから更に派生した、それほど本編とは関係の無い内容のはずです。でも現実的には、CDよりもゲームが売れてしまったわけです。CDはその後も売れ続けていて、累計ではどうなるかはわかりませんけどね。
 
 1つ目に思うのは、ゲームのお買い得感なのかな、と。CDは一度聴いてしまえばそれで終わってしまいますが、ゲームなら繰り返し遊べるという考え方なのかもしれません。そういう考え方だと、ゲームのほうが2000円くらい高かろうがより遊べることになります。
 CDを買う、買って聴く、という文化がそもそも無い可能性もあります。Twitterのフォロワーさんで、このHTTIIが初めて買ったCDだ、という人を複数見かけました。僕らはCDを買ったりレンタルしたりして一番CDに触れていた世代だと思うので自然なことなんですが、着うたなんかでダウンロードが当たり前の世代になってくると、そっちのほうが1曲単位で落とせるし安いしでダウンロードが当たり前になってしまうのかな、と。それこそケータイやiPodしか持たずCDを聴ける環境に常時触れていないという人もいるでしょうから、そもそもCDを買うという選択肢が無い人が多かったのかなあ、と想像しています。
 あまり考えたくありませんが、P2Pなどで、特に音楽ファイルは流れてしまいやすいというのもあるのかもしれません。なので、ゲームはガードを解除するのが難しいので買うけども、音楽はどこかからダウンロードして無料で聴く物、みたいな考え方なのかなと。音楽に対する価値観の低下はあるんじゃないかと思っています。

※アルバムの累計売上枚数は18万枚を突破しています。
http://kamovsky.com/k-on_cd/htt02.html

 ずっとけいおん!!を見てきた人にはぜひ聴いてもらいたいし、冒頭にも書いたように「曲データ」だけではない、ブックレットやジャケットなどトータルで楽しめるものなので、まだ手に入れてないとかいう方がいたら、ぜひぜひこれは手に入れて欲しいと思います。
 アルバムに入った新曲の中では、個人的には「いちごパフェが止まらない」と「冬の日」がイチオシです。

☆まだHTTIIの初回版は手に入るようです。
http://ishop.tbs.co.jp/tbs/-/ps_id/1467103/s_cd/0001/c_cd/00000

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