魔法少女まどか☆マギカとハートキャッチプリキュアの類似性と、そこから考えられるまどマギの描きたいものとは?

 魔法少女リリカルなのはを観ていない自分としては、女の子の変身モノという点から、まどマギプリキュア的な見方をしています。とりわけ、現在放送中(もうすぐ終わりますが)のハートキャッチプリキュアとは奇妙な類似性があるのですが、それを挙げつつ、そこに隠されたメッセージ性みたいなものを考えてみたいと思います。

  • キャラクターの色と役割が似ている

 これが一番なのですが。
 まどか☆マギカの主要キャラは4人ですが、まどか(ピンク)はハトプリのつぼみですし、さやか(青)はえりか、マミ(ブロンド)はいつき、ほむら(黒)はダークプリキュア、という風にそれぞれ対応キャラがあります。ゆりさんだけ対応するキャラがいないのですが、まあそれは置いておきます。そして、キャラの位置づけや性格も割と対応しているんですよね。
 まどかとつぼみはそれぞれ主人公ですし、平凡で割と奥手な女の子というのも同じです。
 さやかとえりかは、主人公の親友キャラでウザいあたりは割とそっくりですよね。さやかは「まどかは俺の嫁」みたいなことを言ってるあたりもえりかを彷彿とさせます(えりかはそこまでは言ってない?)。
 マミといつきは、主人公達より大人びている感じが一緒なのかな、と。あと、まだわかりませんが、出てきた当初は強かったのに、だんだんとその強さが過去のものになっていく感じがあるような気がします。マミは1話では圧倒的に強かったですが、2話では足をすくわれかけてましたからね。いつきはキュアムーンライトが出てきてから一気に弱くなった感がありますし……。
 ほむらとダークプリキュアにはあまり共通点を見いだせないのですが、やや主人公と敵対関係にあるような部分は一応共通しているのかな、と。ダークプリキュアは敵で居続けましたが……。
 ……とまあ、ほむらとダークプリキュアの部分だけ無理やりですが、その他の3組については結構似ているような気がします。特に、まどかとさやかはハトプリを意識していないというほうが無理がありそうな気さえします(ピンクが主人公で青は主人公の親友キャラという定説があるのかもしれませんけど)。

  • 服のデザインをしている

 2話でまどかが魔法少女用の衣装をデザインしていましたが、ハトプリでもつぼみとえりかはファッション部なんですよね。特にえりかですが、ファッション部の部長をしていたり、服のデザインが得意だったりします。
 まあ、まどマギでまどかが描いていた衣装のイラストは、まどか役の悠木碧さんが描いた絵らしいので、あの設定が深いものなのかどうかはわからないんですけどね。

  • 女子中学生である

 魔法少女モノの定番の年齢というのはよくわからないのですが、どちらも学年は中学2年生です。なのはは確か小学生くらいの年齢ですよね、最初のは。遡れば「美少女戦士セーラームーン」の月野うさぎなんかは中2みたいなので、割と定番の年齢なのかもしれませんけども。そもそもプリキュアシリーズ自体がセーラームーン的な部分もありますので、その流れを汲んでいる可能性は高いと言えるでしょう。

  • マスコットキャラがスカウトする

 淫獣とかラスボスとか既に色々言われているまどマギのマスコットキャラ(?)キュゥべえも、ハトプリの妖精たちも、自分たち自身が変身させる相手をスカウトしていますよね。キュゥべえが言う「何でも願いを叶えられる」のがどのくらいの力を持っているのかはわかりませんが、喋ったり、一般人には見えない/見せないあたりも設定的には近いのかな? と思っています。

  • 恋愛を描かない

 ハトプリの場合、キュアフラワーことつぼみのおばあちゃんとおじいちゃんの馴れ初めは描きましたが、つぼみやえりかが特定の誰かと付き合うという話はありませんでした(無かったよね?)。歴代のプリキュアの中でも、ここまで描いていないのはなかなか珍しいんじゃないかと思うくらいです。
 まどマギでも、男性の存在くらいは出てきてますが、OP観ていてもほとんどが女の子ですし、男女の恋愛を描いたり発展しそうな雰囲気がありません。主要キャラではまず描かないでしょう。百合方面はありそうな雰囲気ですが……。

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 とまあ、ざっとこのくらいの共通点があります。なので、まどマギってハトプリやその他プリキュアシリーズをある程度は意識して作られているのかな? と思いました。主要キャラに男の子がいないあたりや、割と百合なイメージもありますしね。
 そこから導かれる予想としては……、さやかが早い段階で役立たずになるとか、マミさんもまどかが本格的に魔法少女として戦えるようになるorほむらが加入すればお役御免だったり、キュゥべえが人間に変身したりなどでしょうか?
 しかし、どうしてまどマギはハトプリに似せて作られているんでしょうか?(本当に似せて作られたかどうかはわからないのですが……)。
 新房監督が「新たな魔法少女モノのスタンダードを作りたい」としてこのまどか☆マギカを作ったのなら、この「魔法少女まどか☆マギカ」という作品は、大人が観るためのプリキュア、という見方も出来るんじゃないかと思っています。ハトプリとかプリキュアシリーズって大人が観ても楽しめるのは楽しめますが、基本は女児向けアニメとして作られています。そこには、例えば女児向け玩具のためのアイテムを出さなければならなかったり、変身シーンを毎回入れないといけなかったり、変身シーンを入れることで毎回の動画枚数を抑えていたり、色々と制約が多く、作品の1話1話の作りがややテンプレ的なものになってしまいがちです。
 そこでこのまどか☆マギカは、そういう制約を取り払ったプリキュアみたいな作品を作ってみよう、という気がしています。ですから、2話までさやかだけじゃなく主人公のまどかでさえ、魔法少女になっておらず変身していませんし、1話では変身シーンがあったマミも、2話では一瞬で変身していたりしますが、この辺にはそうした意図が感じられます。また、プリキュアシリーズだと毎回敵が出てきて、変身してそれを倒す、というテンプレもありますが、まどマギでは1話では変身シーンはあったものの敵(魔女)に逃げられてますしね。内容については関連付けるのは無理があるような気はしますが、敵の描き方も、例えば絶対悪じゃなかったり、あるいは本来なら倒されて当然とまでは言えないような存在なのかもしれないとか、そういう描き方をしてくるんじゃないかと考えています。
 そう考えると1クールじゃとても足りない気がしますが、大人向けプリキュアとして、精神的な葛藤やジレンマ、裏切りとか、プリキュアではタブーなことをどんどんやってくれそうな気配はありますよね。何せ、1話ではマスコットキャラが魔法少女に殺されかけてましたし、2話では魔法少女になることへのリスクや負の面が飛び出してきましたし、「死」なんて言葉も出てきましたからね。楽しみです。

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※考察に役立つkarimikarimiさんのまとめ記事もどうぞ。
『魔法少女まどか★マギカ 第02話までの考察関連メモとまとめ』