2011年 テレビアニメED十選
各所で行われている「2011年アニメOP十選」に触発されて、僕もOP十選をリストアップしてみたんですが、ここは少しひねくれてエンディングの十選をやってみようかと思いやってみました。
EDはOPに比べて、静止画の連続などOPほど動かしたり見せたりすることにこだわっていない感じもありますので、映像よりも曲そのものの良さを重視して選んでみました。個人的にはOPと同じくらいすんなり出てきました。
<ED>
■冬
2011年最初の衝撃というか、とにかくビックリしました。Magiaそのものは1話から流れていたわけですが、「この曲がエンディングとか絶対ねーよw」って感じで劇中歌として普通に聴いていたのに、3話ラストからのエンディングですよ……。魔法少女まどか☆マギカは1話から凄い凄いと思って観ていたんですが、良い意味で暗転したのがマミさんがマミられたシーン……ではなく、正確にはその後このMagiaが流れた瞬間だったんじゃないかと思います。まどかたちの行く末を示すような影っぽいエンディング映像と相まって、これからどうなってしまうんだろうと変化させられたわけです。
曲単体として考えても、Kalafinaのいつもの曲調とも少し毛色が違う気がしますし、こんな曲がアニメのエンディングに採用されたこと自体がここ最近でもそうそうなかったのではないかと思います。その意味でも非常に衝撃的ですし、それがアニメ本編とシンクロしていることも素晴らしかったです。アニソンの概念を大きく広げてくれた名曲だと思います。
■春
引き続いてシャフト作品。シャフト作品の楽曲は音楽性や作品とのマッチングの意味でも本当に素晴らしいと思いますが、このルルもとにかく素晴らしいの一言。
みんなのうたあたりでも流れそうなくらいのゆるやかでおだやかそうに聴こえるメロディで癒されるんですが、歌詞はまさに電波そのもの。やくしまるえつこさんそのものが電波っぽい感じの不思議さがありますが、彼女の世界観と作品そのものの世界観が見事にシンクロしていて非常にいい余韻に浸れるエンディングになっていたと思います。曲そのものの独自性もさることながら、それでいてアニメの曲であるという意味でのアニソンとしても素晴らしいですし、ホント言うこと無いというか、この曲以外には考えられないくらいの完成度だったんじゃないかと思います。映像としても、色使いや光と影、明暗を生かしたクオリティの高いものでしたね。
ソフトの売り上げも話題性も寂しい結果になったそふてにっですが、個人的にはこの作品の主題歌は共に素晴らしかったというしかないと思ってます。
ULTRA-PRISMの電波なOP、カオスで騒がしいアニメ本編と来るとエンディングはバラード系なゆったりとした曲調のものを持ってくるのかと思いきや、割とテンポのいい曲だったわけですがこれが非常に素晴らしかったと思ってます。バラード系の浄化エンドというのも良いのですが、この作品に関しては「カオスだったなあ」という余韻をテンポのいいEDがクールダウンさせてくれるような気がするのです。伊藤かな恵さんの歌声もこういう曲調が非常によく合いますよね。彼女が演じてる明日菜もそうですが、歌声そのものから溢れ出す元気さで凄く前向きにさせてくれる曲じゃないかと思うわけです。曲単体としても、アニメ観てからのEDとしても、落ち込んでいるときに聴くと自然と前向きにさせてくれるような、そんな良さがこの曲にはあったと思います。EDアニメも、本編の元気いっぱいなキャラクターたちのイメージが非常に生かされてたいい映像だったと思います。
Aチャンネルのエンディング。BD持ってないのでフルで聴いたことはありませんが、この曲は作品の一部というか、この曲までが本編という感じの存在感だったと思います。
Aチャンネル本編は朝から始まり、みんなと別れるところでだいたい終わるような構成で作られていますが、この曲も最後のところで「バイバイ」と歌って終わるようにちゃんとリンクしているんですよね。それに、大きな事件も悲しい事も一切無く、ただ毎日が楽しく過ごせてるるんたちの日常が、まるでハミングしてるような毎日であるかのようなイメージで描かれているのでしょう。てってってって……とイントロが始まると「ああ今週も終わったんだなあ」とさせてくれる、ちょっぴり寂しさも感じさせてくれるのも良かったと思います。キャラソンEDということで、究極の日常系アニメとしても素晴らしい曲だったのではないでしょうか?
- 星のすみか:藍坊主/TIGER&BUNNY
大人気となったタイバニの前期のエンディング曲です。個人的にはこの曲が大好きでCDもついつい買ってしまったんですが、毎週割と色んなことがあってはちゃめちゃさもあった本編を良い感じでまとめてくれてたのがこの曲なんじゃないかと思います。男同士の友情エンドですよね、これ。誰かがホモホモしいEDだなあとか言っていたんですが……まあそれもこの作品らしさといえばらしさなので、タイバニ人気の支えになったような曲ではなかったかと思います。
映像も好きで、サビで「輝き続ける光った星から〜」となるところでバイクに乗ったバニーちゃんとサイドカーに乗ったタイガーが走ってくるところが凄くかっこいいというか何か良かったですね。
割と中途半端に終わってしまった神のみ2期のエンディング曲です。この曲がとにかく素晴らしい。神のみは原作ファンではあるのですが、そんなことよりもこの曲ですよ。1期はOPがとにかく素晴らしいの一言でしたが2期はEDのほうが光ったように思いました。
豪華な歌い手さんたちのそれぞれの歌声も良いのですが、やはりエルシィが愛だの何だのと(たぶんわかってないだろうに)歌っているのもたまらないですね。神のみのボーカル曲は非常に素晴らしい展開をしていると思いますが、その極めつけが個人的にはこのアイノヨカンではなかったかと思ってます。本当はこの次が見たかったんですけどね……。まあ原作はまだアイノヨカンの次の展開までは行ってないような気がしますが。
- 真夏のフォトグラフ:azusa/アスタロッテのおもちゃ!
azusaさん好きではありますが、この曲も光りましたよね。アニメの方は、ドタバタありパンツありでもちょっと切ないようなそんな展開でしたが、このエンディングに関してはとにかく浄化エンドという言葉が相応しいですよね。本編のファンタジーな空気感とかも含めながら、ゆりかごの中にいるような優しいメロディと歌声で本当に癒される曲だと思います。
■夏
昨年後半に突如現れた感のあるゆるゆりですが、原作ファン的に主題歌はどちらも「悪くはないけどピンとは来ない」感じがありました。が、聴いていくうちに特にハマったのがEDのほうでした。
ゆるゆりをご覧になった方はわかると思いますが、話の起伏自体はなくはないのですが、何かあっても次にはなかったことになってる、さほど展開そのものは重くないというか軽いんですよね。そしてゆるい。そのゆるさの象徴がこの「マイペースでいきましょう」という曲調にも現れているように思います。
そふてにっのところと少しにているのですが、ゆるゆりではOPは早口ながらミドルテンポな曲で、本編はギャグを効かせつつも割と流れるような展開で、そしてEDもミドルテンポで……と、終始同じようなテンポを意識していると思うのですよね。いわゆる浄化エンドとしてバラード系の曲にするのも(同じ太田監督のみつどもえのように)手だったのだろうと思いますが、このペースを一定にしたこのEDのおかげで、毎回終わった気がしないというか、ずっと続いているような気さえしちゃうんですよね。
この曲そのものも中毒性のあるメロディと楽しい掛け合いが楽しめるいいキャラソンですし、映像的にもデフォルメキャラの表情が面白いですよね。素晴らしいと思います。
茶番アニメとして話題になったBLOOD-Cのエンディングです。問答無用の水樹奈々さんですが、とにかくカッコいいし素晴らしいんですが、どことなく悲しげなんですよね。映像は小夜の止め絵での演出になっているのですが、最後まで観ればわかるように、彼女は一人ぼっちなんですよね。しかもこの街に半ば囚われている身で。そう考えると、あの止め絵はずっと一人で戦い続けて、街を夜空を眺めていた彼女の孤独さを凄く顕していたんだなあと思うと、曲と相まってなかなかいいEDだったように思えてきます。最終話で走りだす小夜と流れる純潔パラドックスも良かったですね。
■秋
「脱力系青春グラフィティ」というキャッチコピーからは考えられないようなタイトルと曲調のエンディングですが、これが話によっては素晴らしいです。
この君と僕。は脱力系なお話よりもむしろ切なく甘酸っぱい青春なお話が凄く良いのですが、話数によってはその話の引きとこの曲のイントロからのエンディングがものすごい相乗効果を生み出していたと思います。泣く予定じゃなかったのに泣けてしまう、そんな感じで。
この沢井美空さんの歌声もいいですよね。この若さでこれだけしっかりとした声質とブレない歌声は聴き応えあります。原作者堀田きいち氏のイラストでの映像も非常に良かったですね。
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こんな感じになりました。残念ながら漏れたものとしては、あの花とかシュタゲとか神様ドォルズあたりが次点でしたが概ねこの10曲で決まりでした。こうして観ると、個人的に2011年春クールのアニソン的な充実ぶりがやばいことになりますね。実際にいいアニメ主題歌が多かったと思いますし、EDが良かったということは非常にいい余韻に浸りながら観終えた作品が多かったことにもなります。
ただし、挙げたEDでCD単体売りしてるものは全部買いましたが、アニメBDとなるとまどかとゆるゆりしか買ってないという……。曲が良すぎると本編に求めるレベルも高くなってしまうのかもしれませんね(汗。
【参考】
forgotten edenさんの「2011年放送アニメED10選」
flower in my headさんの「テレビアニメED10選 2011」
ツイプレッションさんの「2011年アニメOP、ED、キャラクター、エピソード10選」